三原市
地元の起業を強力にサポート
Start-up City College開講
2021年10月10日号
三原市(岡田吉弘市長、経済部商工振興課、電0848・67・6072)はこのほど、同市内で起業や社内ベンチャーを目指す人などを対象にした「Start-up City College」(以下=SCC、スタートアップ創出シティカレッジ)を開講した。起業のための基礎知識の習得から事業の実践までを扱うカリキュラムで、若手起業家集団「EO Setouchi」(イーオーせとうち)や県立広島大学の経営専門職大学院(以下=HBMS)などがフォローし、金融機関などと連携して「事業が実際に動き出す」ところまでをバックアップする。就任2年目の岡田市長に取材した。
SCCの概要
今年8月からスタートし、2022年3月まで月1回(12月のみ2回)、全9回の予定で開催。現役の会社員や、実際に起業に取り組んでいる20代から40代の9人が受講している(参加費は10万円)。会場実施を基本としているが、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、すでに行われた初回と2回目はオンライン受講となった。
活性化を第一目的に
岡田市長は「今年度、初めて予算編成に関わり、市長選挙における公約や、もともと抱いていた思いなど、一つずつ形にできていると実感しているところです。そのひとつがこのSCCの取組みです」と話し、SCCの最終ゴールについて、次のように語った。「三原市の活性化を第一に考え、新しい取組みの創出や起業をサポートするための人づくりに注力した内容となっており、参加者の事業構想が実際に動き出すことを目的にしています」。
同講座の特長は、HBMSの講師陣による、経営概略やマーケティングといったマネジメントに必要な理論やスキルの指導に加え、実践的な起業の意識醸成をEO Setouchi(※注)がメンターとなって伴走型の支援を行う点にある。実際の起業時には、市によるテストマーケティングの実施や広報の支援までも盛り込まれている。
今後の展開について「すでに、講座以外の場で、EO Setouchiを交えて受講生同士がオンラインで生の意見交換をする交流も始まっています。熱気のこもった活気ある場として盛り上がっていくことを期待しているところです。来年度以降も取り組みを進め、毎年必ず新しい事業が生まれる三原にしていきたいと考えています」と語った。
※注=EOとは
EO(起業家機構)は1987年に設立された年商1億円を超える若手起業家の世界ネットワーク。62か国196チャプター、1万4674人のメンバーによって構成される。「志ある起業家が地域と共に学び成長することで、愛する地域の活性化に寄与する」ことをミッションに掲げ、〔一社〕EO Setouchiは、EO Japan(95年設立)の8番目のチャプターとして2021年1月に三原市出身の吉村公孝会長(ベイシス(株)社長)が中心となり創設した。
岡田吉弘市長略歴
1985年6月11日生まれ。三原市出身。京都大学工学部卒業。京都大学大学院工学研究科修士課程修了。日東電工㈱の勤務を経て2014年から18年まで松下政経塾に在籍。同年三原に戻り、子ども向けプログラミング教室などを運営する〔一社〕RoFReCを設立し代表理事を務めた。20年8月に現職に就任。11月に誰一人取り残さない「デジタルファースト宣言」を行い、「市民サービス」「行政運営」「関係人口創出」のデジタル化に取り組んでいる。