竹久夢二本舗敷島堂
「夢二」などをリニューアル
併設カフェの新スイーツが人気

2022年12月01日号

挑戦と伝統の両輪を大切に

和菓子や洋菓子を製造販売する竹久夢二敷島堂㈱(瀬戸内市邑久町尾張1153―1、眞殿昌宏社長、電0869・22・0145)はこのほど、看板商品の銘菓「夢二」(125円、税込、以下同)「いちご夢二」(135円)を全面リニューアルした=写真上。また、昨年1月に平井店(岡山市中区平井5―8─43)内にオープンしたシキシマドウノカフェでは店内限定の新作スイーツが好調で、フィルムを取ると特製ソースが広がる「とろけるシキシマティラミス」(1210円)=写真下=などSNS映えする商品作りに注力している。

同社は1948年2月に創業し、73年2月に法人化。岡山県内に直営8店舗を運営しており、70周年を迎えた2018年1月からは昌宏さん(39)が3代目として社長を継いだ。昌宏さんは洋菓子店で修行し、15年に入社後、「夢二」に苺のコンフィチュールを加えた洋風和菓子「いちご夢二」を開発した。

シキシマドウノカフェ

社長就任後は、19年12月に始まったコロナ禍に対して積極的な「挑戦」を続け、20年5月にわらび餅を粒状にしてドリンクに入れた「わらピ―WARAPi―」を全店で販売。20年12月には平井店を移転し、同社初のカフェ併設店として開業。「しぼりたてモンブラン」(1320円)などの人気メニューも増え、コロナ下でも連日賑わいを見せている。

さらに眞殿社長は、郷土が生んだ画家・竹久夢二さんのご長男とのご縁から生まれた銘菓「夢二」が誕生50年を迎える今年、「夢二」「いちご夢二」の素材や形状、パッケージなどを全て見直した。「夢二」は北海道産の2種類のバターを使った白あんを使用。厳選した原材料にミルクをたっぷり加えた生地で包み、口の中で「スッ」と溶けるような滑らかな舌ざわりに仕上げた。「いちご夢二」は、岡山県産の苺を独自製法でコンフィチュールにして、口どけの良い白あんとしっとりふっくらした生地で包んでいる。両商品とも、「夢二がもしこの時代に生きていて描くなら」をコンセプトに、地元出身の工業デザイナー水戸岡鋭治さんにパッケージデザインを依頼した。

眞殿社長の話「常に新たな挑戦に取り組んでいます。時代に合った味や見映えを追求するのと同時に、伝統的な定番の菓子も大切にしており、店内に多数取り揃えています。挑戦と伝統の両輪のバランスをこれからも大切にして参ります」。