ケンユー
トルコへ自社製品を提供
無事、南東部の都市に到着

2023年04月10日号

簡易トイレや処理セット等

羽田空港での積み下ろし

携帯ミニトイレ「プルプル」など衛生小物用品の製造・販売を行う㈱ケンユー(福山市曙町4-7-21、占部克明社長、電084・954・2600、https://www.kenyuu.co.jp/)は3月上旬、大地震が起きたトルコへ緊急援助物資として自社製品を提供。無事、トルコ共和国南東部の都市「ガズィアンテプ」に届けられた。

今回送った支援物資は、簡易便座トイレ200台、ワンタッチテント200台、トイレ処理セット30回分×2千個等。簡易トイレとワンタッチテントは組み合わせて使うことで、臨時の仮設トイレとして設営でき、トイレに取り付ける便袋と凝固剤と合わせ、非常時のトイレとして使用できる=写真。

同社は簡易トイレ等を30年以上製造販売しているメーカー。2016年に起きた熊本地震や平成30年7月豪雨(西日本豪雨)など、日本国内の数々の被災地に支援物資を送ってきたが、海外への支援は初めてだという。

占部社長(48)は「大地震が起きたトルコ・シリアで、被災地でのトイレに困っているというニュースを聞きました。トルコと日本の友好関係の歴史も知っていましたので、何かできることはないかと考え、外務省、大使館を通じて支援物資を送りました。役立ててもらえることを願っています」と話している。

トルコと日本の友好関係の原点は、オスマン帝国時代にさかのぼる。1890年、親善訪日使節団を乗せた軍艦「エルトゥールル号」が和歌山県沖で沈没し、587人が亡くなる事故が起きた。その際に島民が救助活動を行い、69人を救出。トルコではこのことが語り継がれ、1985年、イラン・イラク戦争時には、イラク政府の無差別砲撃宣言により、イランを脱出することができない在イラン邦人のために、トルコ航空特別機が約200人の日本人を救出した。