備南地域の仲間たちを知ろう㉗
沼隈内海商工会青年部
津久井勝也さん
2023年07月20日号
障がい乗り越え工夫で輝かせる
機械部品の製造や金属加工など扱う会社に勤めていた津久井勝也さん(41)は、40歳を機に独立を決意。昔から大好きだった車の洗車やコーティングなどを行う専門店CARクリーニング「まごころ」(福山市沼隈町草深2267—1、電080・6320・1320、excelcoat.tsukui@gmail.com)を創業。2022年1月に開業した。小さなガレージで、ファミリーカーから海外製スポーツカーまで、1台ずつ丁寧に磨き上げる。
津久井さんは高校生の時に交通事故で右腕を負傷。肩から指先まで麻痺しており、左腕で日常生活や仕事をすべてこなしてきた。障がいがあっても、工夫次第で何でもできることを証明し、逆に胸を張ってハンデを乗り越えていきたいと考えてきた。前職でも努力の末、重要な仕事を任されていたが、長年趣味でやっていた車の洗浄などを本職にしたいと思うようになり、一念発起したという。商工会には独立開業のサポートなどで大変世話になったと感謝を述べ、青年部(高野憲治部長)にも開業とともに入部した。青年部活動にも積極的に参加していきたいと意気込んでいる。
丁寧に洗浄した後のコーティングが津久井さんの真骨頂。様々な環境の変化に対し強靭な塗装保護性能を誇るEXCEL COAT(エクセルコート)の正規施工店として最高級のコーティングを施す。ほか、ニーズや予算、車の状態に合わせ、簡易コーティングから水弾きや艶などを楽しむガラスコーティングなども請け負う。今後は最先端技術のセラミックコーティングも導入予定だという。
顧客の許可を得て、インスタグラムなどを通して仕上がりを公開していたところ、近隣市町や遠方からも依頼が届くようになり、真摯な対応と丁寧な施工に感心した利用客が、口コミなどで新規の顧客につなげているという。「独力で技術を高めてきましたが、仕事や過分な評価まで頂けて、ここまで全てお客様に育てて頂けたんだと思います。障がいはハンデではなく個性であり、誰でも自らを光り輝かせることができます。少しでも勇気を与えられたらと思いますし、将来はそういう方と一緒に活躍できるバリアフリーな店を作りたい」と目を輝かせる。