社会保険労務士法人 野島事務所
代表 野島正貴さん
創業20周年を迎えて
2023年12月01日号
労使を繋ぐ価値の創造
のじままさき(54)
創業以来、関与先企業は累計200社を超える。20周年記念講演会「年収の壁は心のカベ? わたしらしい働き方を見つけよう!」を今年8月に開催。配偶女性の年収の壁をテーマに、正しい社会保険制度への理解を深め、働き方を主体的に考えてもらおうと、女性や企業の労務担当者などを対象にしたセミナーを実施した。少子高齢化を背景に「社会保険の適用拡大」など制度の改正が行われ、転換期を迎えた今、労使を繋ぐ新たな価値を創造することに取り組む。
─創業20周年の節目を迎えていかがでしょうか
「社会保険労務士としてゼロからの出発でしたので、これまで、クライアントの要望にできる限り応えられるよう努めてきました。この20年間で、求められることがずいぶん変わってきたと感じています。労働市場においてパワーバランスが変わり、企業の人事戦略の課題は、いかに継続して人材を確保するかという点になってきています。少子化などによる人材不足を背景に、女性や高齢者、障がい者、失業者、学生などに目を向ける必要が出てきました。これまで通用したセオリーが通用しない、正解のない時代。企業それぞれが労務管理や人事戦略についてしっかりと考えなければならなくなっています」
─注力していることは何でしょうか
「社会保険の適用拡大など社会保険制度の改正が始まっていることもあり、企業側に労務管理や人事戦略の発想のセンスを持っていただくことに力を入れています。同時に、労働者の意識改革も必要です。もう少し企業に対してイニシアチブを持つことができれば、社会全体が変わるのではないでしょうか。働く人の主体性を高めることは、企業の生産性全体を上げていくことに繋がります。働きがいなど、働くことそのものの価値を伝えるために、企業内や一般の労働者に対して20周年講演会で行ったようなセミナーの機会を増やしていきたいと思います」
─貴所で大切にしていることをお聞かせください
「法人として、『企業の幸せを最大に』ということを理念にしていますが、労使を含めた社内全体の幸せのバランスを考える必要があります。それが私たちの使命であり、クライアントに伝えていくためには自分たちの軸をしっかり持っていなければならないと考えています。事務所内の一人一人が自分の意志をしっかり持ち、信頼される立場になるために、努力を続けています。その一つとして、事務所内に講師を招き、アドバイザーとしてのスキルアップを図るため、継続した所内研修を予定しています」
─今後の抱負についてお聞かせください
「転換期を迎え、労使関係のバランスは非常に重要になっています。この20年で培った経験のアウトプットに取り組み、常識に縛られない新しい提案を具体化し、労使を繋ぐ新たな価値を創造することに尽力してまいります」
▷社会保険労務士法人 野島事務所=福山市草戸町3─1─20 ローズ草戸ビル1階、電084・983・2653。今年12月に創立20周年を迎える。
▷野島正貴=1969年8月28日生まれ、福山市出身。京都産業大学を卒業後、1992年に㈱福山そごう入社。約9年、外商部で営業を担当。そごう閉店のため退職。2001年に社会保険労務士の資格を取得後、社労サービス福山に入社。03年に同所を退職し、社会保険労務士野島正貴事務所を開設。17年に法人化。