フェルデンクライス尾道
代表 吉田万里子さん
元女子プロレスラーが怪我克服

2025年07月01日号

潜在能力活かし身体と心を癒す

よしだまりこ(55)

敬虔なカトリックの「福山暁の星女子中学・高等学校」出身者が、クラッシュギャルズに憧れてプロレスの門を叩いて夢を叶えた。だが、頸椎損傷3カ所、股関節症でまともに歩けず、8カ所も骨折したほか満身創痍に。そんな時、福音のように「フェルデンクライス」と出会い、レッスンを続けたことで今は後遺症もなく過ごせているという。自分を救ってくれたエクササイズをこのほど、尾道市から世界に広めたいと本格的に動き始めた。

―プロレスラーになるきっかけは

「中学3年生の時、友人に誘われて旧尾道公会堂へ観に行った時、天啓を受け、レスラーになるしかないと思いました。入門を申し込んだのですがその時は落選。当時バスケ部でしたが、格闘技を修めようと合気道を始めました。高3になって何とか段位も取れ、入門テストで合格を勝ち取りました。同期には井上京子・井上貴子といった後の大スターもおり、貴子とはタッグを組んでチャンピオンになったり(一時シングルと合わせ2本のベルトを保持)、全日本女子プロレスを退社後は、京子の新しい団体の旗揚げに協力したりもしました」

―大変な怪我をしましたね

2017年の現役期(引退前)

「チャンピオンになった全盛期(1992年)に頸椎を損傷し、手術をして約2年欠場しました。治って復帰したのですが、更に2カ所を損傷し、ほぼ首が回らなくなりました。2008年に『体幹チューニング』カラダ調律師の資格を取り、自分の身体を治しつつ、プロレスはスポット的に出場していました。いよいよ身体が思うように動かせなくなり、完全引退を決意した頃、フェルデンクライスに出会いました」

—フェルデンクライスとは

「物理学者で柔道家のフェルデンクライス博士が考案したメソッドで、赤ちゃんが自分の体の動きを習得していく過程をヒントに、施術者が手技で骨や筋肉の動きを少しずつサポートしながら、本来の動きを取り戻させていきます。あと『呼吸法』も大切です。日本式の気功で、体中をリラックスさせ、自然に溶け込むような感覚になります。動きを確認ながら施術していると、相手と繋がる感覚、動きの『質感』が変わる瞬間があります。その時に、その方本来の動きを取り戻すのだろうと思います。自分がそうだったように、体が軽くなったり動けるようになったと喜ばれています」「向島では直接施術しますし(要予約、初回7700円、2回目以降6600円)、公民館活動にも出向きます。出前講座などは応相談で。また、セルフトレーニングもできるので、YouTubeで入門編を動画配信したり、ZOOMを通してのオンラインレッスン(有料)も行っています。詳しくはインスタグラムやホームページをご覧ください」

—今後の想いを

「身体が変われば心も変わります。オンラインであれば世界とも繋がれます。海外の友人達を介して世界中にこのメソッドの素晴らしさを伝えていきたいです」

▽フェルデンクライス尾道=尾道市向島町、HP=https://feldenkrais-onomichi.com/、Instagram=@mariko21585

▽吉田万里子=1970年2月、尾道市向島町生まれ。88年に福山暁の星女子高等学校を卒業後、全日本女子プロレスへ入社。92年10月に頸椎損傷で手術。97年に退社後、アルシオンなどに参加するも2008年に活動休止。09年5月より「体幹チューニング」カラダ調律師。13年にフェルデンクライスを知り、18年にプラクティショナーの資格取得。23年に特別な支援を必要とする子どもへの「JKA」の資格取得。