エディオン
PVリサイクル工場を箕沖に建設
2030年の大量廃棄に備える
2026年06月01日号
再資源化までの資源循環体制構築
広島市に本店を置く㈱エディオン(大阪市、久保允誉CEO)はこのほど、太陽光パネル(PV)をリサイクルするための「PVリサイクル工場(マテリアル2号棟)」を、エディオンのグループ会社㈱イー・アール・ジャパン(福山市箕沖町106—5 びんごエコ団地内、乗常久志社長、以下「ERジャパン」)本社工場敷地内に新設し、5月13日より稼働を始めた=写真上は、同日、同所で行われた竣工式の様子。
ERジャパンは2012年、エディオンなど3社の共同出資でグループのリサイクル企業として設立(17年にエディオンの完全子会社化)。13年に工場など竣工し、14年から小型家電などの再資源化を行うリサイクルプラントを稼働。このほど敷地内にPVリサイクル工場(マテリアル2号棟、延べ床約767㎡)を新設して、家電量販店業界で初めて「販売から再資源化までの資源循環体制」を構築した。
太陽光発電など再生可能エネルギーの発電設備の普及を促進するため、経産省は余剰電力買取制度を2009年にスタート。12年からは固定価格買取制度(FIT制度)が始まった。今後、30年代半ば以降に年間約50万tと言われる製品寿命を迎えたPVの大量廃棄が始まると予測されており、現在は大半が埋立処分になるため環境負荷が懸念されている。
エディオンは08年(傘下にした旧サンキューは07年)から太陽光発電システムを販売しており、「長年にわたって普及に寄与して来た責任を果たし、販売・物流・リサイクルの自社ネットワークを最大限に生かし再資源化モデルを構築する」ため、この度の工場新設に至った。エディオングループの施工可能エリアを対象に、各店舗や物流拠点を窓口にして、同社が交換・撤去工事で発生した廃PVをERジャパンで引き受ける。35年までに年間で約4万枚約800tのPVリサイクルを目指すという。
工場では、最初に蛍光X線分析機を導入し、鉛やヒ素などの有害物質が含まれていないかをチェックして混入を防ぐ。続いてアルミ枠セパレータでパネルの外枠を除去。「PVリサイクルハンマー」で廃パネルのガラス部分(総重量の約6割を占める)を加熱してから粉砕・剥離する=写真中。粉砕後は「デジタル色彩選別機」で分別し、「高純度ガラス」や異物などを自動で分類して回収する=写真下。残ったセルシートは細かく粉砕して、金属、プラスチック、シリコンなどを分離回収する。アルミは再資源化、選別されたガラスはガラス原料か土木資材などに再利用される。セルシートは、精錬所で銀や銅などを回収するほか、プラスチック系は燃料などに再資源化する。
