㈱オガワエコノス
社長 小川貴広さん
「瀬戸内資源循環プロジェクト」

2026年07月10日号

けん引し循環型社会構築目指す

おがわたかひろ(40)

府中市を中心に、広島県東部で廃棄物の収集運搬、中間処理、浄化槽の点検などを営み、府中市のほか福山市、岡山・宮城県で工場を運営。2017年に広島市の㈲ダイイチ企業を傘下に加えた。25年より、使用済みプラスチック食品容器の回収、再資源化、再生原料化、成形、販売に携わる6社と連携し、使用済みプラスチック食品容器を再生・活用する「瀬戸内資源循環プロジェクト」をけん引するなど、従来の「廃棄物処理業」という枠組みを超え、持続可能な循環型社会(サーキュラーエコノミー)の実現に向けた先進的な取組みに勤しんでいる。

―瀬戸内資源循環プロジェクトとは

「単にごみを処分するのでなく『資源として循環させる』体制を構築する活動です。これまで水平リサイクルが難しかった色柄発砲容器(PSP)や透明容器(OPS)を含む使用済みプラスチック容器を対象に、弊社が回収や選別・加工、㈱CFP(笠岡市)が熱分解による油化、旭化成アドバンス㈱が熱分解油のオフテイク石油精製接続、太陽石油㈱(今治市)が熱分解油からの分留・基礎化学品製造、旭化成㈱(倉敷市)が基礎化学品からスチレンモノマー製造・供給、PSジャパン㈱(倉敷市)がポリスチレンなどの製造・供給、シーピー化成㈱(井原市)が再生樹脂を用いた食品容器の製造、を担当してループを構築し、環境負荷低減に貢献します」

「サーキュラーエコノミー福山」(福山市箕沖町)

―ベトナムにも進出されましたね

「25年12月に現地法人を設立し、環境機器の製造代行(アウトソーシング)業務や現地日系企業のリサイクル支援を行っています。ベトナムは海洋プラスチック問題では世界第4位に入る国であり、脆弱な廃棄物管理に対して、弊社が培ってきたノウハウは資源の分別処理や子どもたちの環境学習に役立てられると思います。将来的な現地工場の開設も視野に入れ、アジアに広がるグローバルな資源循環ネットワークの構築に挑んでいきます」

―人的資本経営にも力を入れておられますね

「『自然にやさしい、人にやさしい』を企業理念とし、ウェルビーイングの追求も会社の柱と考えています。人は〝人財〟であり、人的資本経営ひろしまアワードで『優良企業』に選出されるなど、社員の価値を最大限に引き出す環境づくりを行っています」

―今後について

「18年に府中JCに入部しましたが、事業を通して国際関係にも明るくなりました。風を読む力、森を見る力の研鑽にも役立ちました」

「父が事業を受け継いだのが1997年で、来年は創業75周年を迎えます。父はリサイクルに業容を拡充させ、SDGsという言葉が言われるよりも早く環境保全活動に注力してきました。私は父の掲げた行動指針『Think Globally, Act Locally』を発展させ、弊社のノウハウを世界各地に広げ、第3創業期として自分のスタイルを追求していきたいと思います」

▽㈱オガワエコノス=府中市高木町502―10、電0570・002・998、https://www.o-econos.com/

▽小川貴広~1986年、府中市生まれ。盈進高校では野球部に所属し、関東の大学へ進学。その後はスタートアップ企業を立ち上げるなど都内で活躍。2014年に帰郷。仙台工場で勤務、17年から本社へ復帰。18年から常務取締役、24年に社長に就任し、25年から小川勲会長と共同代表に。