日銀広島支店
12月の広島県内景気
緩やかに回復傾向

2015年02月10日号

 日本銀行広島支店は、県内の12月の金融経済動向を発表。県内景気は、基調的には緩やかに回復している−とした。
 個人消費は基調としては底堅く推移し、消費税率引き上げに伴う反動も和らいでいる。設備投資は持ち直しており、公共投資はおおむね横ばい。住宅投資は弱含んでいる。輸出は増加傾向。生産は横ばい圏内の動きとなっている。雇用情勢は着実に改善している。
〔個人消費〕百貨店は基調として底堅く推移している。スーパーは衣料品が弱めとなっているものの、食料品が堅調に推移し、おおむね前年並みとなっている。家電量販店も基調として底堅く推移している。乗用車販売は消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動が和らぐ中、軽自動車を中心に前年を上回っている。旅行取扱高は海外は弱め、国内は引き続き堅調に推移している。実体経済指標では、百貨店売上高(既存店)は前年同月比0・8%増加。スーパー売上高は0・4%減少。11月の家電販売は同5・9%減。乗用車販売は同11・1%増。
〔住宅投資〕新設住宅着工戸数は同29・2%減。持ち家、貸家、分譲のいずれも前年割れとなった。
〔公共投資〕公共工事の請負額は同13・5%増。県、市町村が前年を上回り、全体を押し上げた。
〔輸出〕通関輸出金額は鉄鋼、一般機械を中心に増加傾向にある。
〔生産〕自動車生産台数は同8・5%減。自動車は生産車種の切り替えの影響から、このところ操業度を引き下げている。鉄鋼は造船、輸出向けを中心に高操業を続けている。汎用・生産用・業務用機械は建設機械などの一部で生産水準を引き下げる動きが見られている。工作機械は海外向けを中心に操業度を高めており全体としては高操業を持続。電気機械もスマートフォン・タブレット端末向け部品が高めの操業を続け、設備更新関連向け製品も内外からの受注好調により増加している。
〔雇用・所得環境〕有効求人倍率は1・32倍と着実に改善している。現金給与総額は所定内給与や所定外給与が増加し、前年を上回った。

金 融 動 向
〔貸出〕地元金融機関の貸出金月中平均残高は同3・8%増。一般法人、個人、地公体向けが前年を上回っている。
〔預金〕地元金融機関の預金月中平均残高は同3・7%増。法人、個人とも前年を上回っている。