㈱アイシン産業 専務
吉岡信義さん
高精度スライサー導入
2015年06月01日号
薄さ0・3㎜の緩衝材
原反から製品まで一貫化
少ロット・短納期に対応
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1980年に創業し、一貫して発泡製品のトータルアドバイザーとして様々な商品開発を行ってきた。昨年は、ポリエチレンフォームやゴムスポンジなどで薄さ0・3㎜という極薄加工ができる高精度スライサーを導入した。西日本では唯一という。原反(原材料)から最終製品まで一貫して自社加工ができる地域のオンリーワン企業だ。池田百恵リポーターが吉岡専務に話を聞いた。
―扱われている商品は
「弊社では発泡品の加工が主な業務です。発泡品とは、様々な樹脂を化学的に発泡させた素材で、ウレタンフォームやポリエチレンフォーム、ゴムスポンジなどがそれです。ウレタンフォームは柔らかく、ソファークッションや梱包材、吸音材等に加工します。またポリエチレンフォームは比較的硬く、精密機械や高額商品の緩衝材等として、ゴムスポンジもパッキンや緩衝材に使います」
―どのように加工しますか
「それぞれ原反から加工していきます。ウレタンフォームはスライス・カットし、低反発性や高弾性等それぞれの特長を生かし、組み合わせて座り心地の良い椅子の中材や、衝撃吸収力の高いマット等にします。ポリエチレンフォームやゴムスポンジは、高精度スライサーやCAD/CAM機などで加工します。CAD/CAM機は、お客様から頂いた図面やイラスト等の画像データを直接製品に仕上げることができる上、他の加工機より切断面の平滑性に優れ、切削加工も可能です。また、西日本では唯一という高精度スライサーにより、通常1㎜が限界だと言われていた薄さを0・3㎜にまで極薄化してスライスすることができるようになりました。向こうが透けて見えるくらいの薄さです。これにより、将来は電子機器の更なる軽薄化やコンパクト化実現のお手伝いができると自負しております」
―今後の展望を
「原反から製品まで一貫して加工することは弊社の長年の夢でもありました。これにより、小ロットからでも多品種、短納期でご提供できます。またホームページ等での情報発信力を強化して、従来の常識では不可能と思われていた分野でのニーズ開拓にも注力して参ります。迅速・丁寧・執着をモットーに、ものづくりの町福山を支える企業の1社でありたいと思います」
▽㈱アイシン産業=福山市神村町3550-1、宇田信士社長、電084・934・6615、HP=http://www.aishin-net.co.jp/
▽吉岡信義=1953年生まれ。福山市出身。1976年、関西大学卒。1987年入社、2014年から専務取締役。