リプロ
情報発信杭の販売加速
観光案内システム開発
2018年06月01日号
プラスチック再生杭製造の㈱リプロ(岡田謙吾社長)はICタグを内蔵した杭を使った観光案内システムを開発、鹿児島市内の3施設に導入した。杭にRFID(近距離無線通信)を内蔵しスマートフォン通信技術と連動させる「情報杭」を観光用途のIoT(モノのインターネット)に応用。岡田社長(44)は「情報発信機能としての利用用途だが、今後は位置情報機能を利用したIoT(モノのインターネット)と組み合わせシステムも開発したい」と話す。
観光案内システムは観光地に設置された杭にスマートフォンをかざせば英語や中国語などの情報サイトを表示。案内看板に代わる機能をさせる。開発したシステムでは杭に内蔵したICタグの近距離無線通信技術「NFC」を活用するほか、NFCに対応しないアップル社のアイフォンなどの製品には杭の側面にQRコードを載せることで対応した。
ICタグは村田製作所と共同開発。100度―氷点下20度の外気温に耐えられるようにしたほか、杭を埋め込む作業での衝撃耐性も持たせた。ICタグなので端末情報の書き換えもバーコードや二次元コードとは異なり半永久的にメンテナンスは要らない。鹿児島市内の3施設に設置した杭は9cm四角で長さは90cm。頭部にICタグを埋め込んでいる。
また、リプロは管理システムも開発。観光客が杭に端末をタッチすれば接触時に読み取ったスマホの国別登録番号などからデータを蓄積・解析も可能。観光案内システム用の杭は価格は1本5万円。データシステム費は別途必要。
岡田社長は「観光案内の看板に比べ導入も安価な上、機能性にも優れる」と話す。
同社は1971年12月設立。資本金は1500万円。岡山市南区中畦の本社工場のほか、東京都豊島区には東京駒込事務所を持つ。従業員は約50人。土地の測量や境界に用いる杭のトップメーカーで新たな事業の柱と情報発信杭の開発提案で販路を拡大している。
観光案内システムは鹿児島市内のJR鹿児島中央駅構内の総合観光案内所と西郷隆盛銅像向かいの広場、「西郷どん大河ドラマ館」の3カ所に設置。スマートフォンをかざせば鹿児島市の観光PR動画サイトに接続される。
同社では鹿児島市内の実績もあり、広島県内の観光施設からも引き合いがあるとし導入にも期待。飛騨高山市では森林関連事業で情報発信杭を500本ほど納入した。
同社では観光案内のほか、ポイントラリーなどのレクリエーション用途での活用にも期待。岡田社長(44)は「情報発信機能としての利用用途だが、今後は位置情報機能を利用したIoT(モノのインターネット)と組み合わせシステムも開発したい。また、備後・岡山の人も西郷どんの鹿児島市へ訪問下さい」と話した。
㈱リプロ
岡山市南区中畦1186
岡田謙吾社長
電086・298・2281