四季 とくし丸
2014年10月01日号
買い物難民とされる高齢者や、買い物に出ることが出来ない家庭を一軒一軒回って食品・雑貨を売る、徳島発の移動スーパー「とくし丸」の運営ノウハウが全国で注目を集めている▲スーパーの超大型化&郊外化で、近所のスーパーが撤退し、日常の買い物に不自由している人たちが増えており、経産省の統計によると買い物難民は全国に約600万人にのぼる。その買い物難民を救済するため、とくし丸が2012年2月にスタートした▲本部がある徳島県のほか、京都府、高知県、東京都の地場スーパーが提携しており、9月から福山市のスーパー「ニチエー」も参入した。年内には福島県でも開業する▲ニチエーが展開する移動スーパーは、専用車に約400品目1000点の商品を載せ、あらかじめ選んだ170軒の住宅の玄関先に週2回、決まった時間に訪問。1点ごとに10円の手数料を徴収するが、店頭と同じ価格で販売する▲当面はとくし丸の本部で研修を受けた従業員が専用車で回るが、年内にも個人事業者への委託に切り替える方針だ▲移動販売は中国地方の他のスーパーも始めているが、戸別訪問をするケースは珍しいという。高齢者が暮らしやすくなるように定着して欲しい。(i)