仕立屋のワードローブ
クールビズ
2018年05月20日号
クールビズは05年の小泉内閣で発表されました。省エネのために冷房を28度に抑えたオフィスで仕事しやすいようノージャケット・ノーネクタイの軽装を奨励したのは当時の小池百合子環境大臣です。国の方針に全国の地方自治体は即座に同調し、民間へも呼びかけました。岡山県知事にお会いした際「国も県も熱心にクールビズを進めておられますが、洋服屋には都合の悪い政策ですね」と冗談交じりにお話したところ「国と県は各分野で厳しい交渉を重ねなくてはならないので、服装くらいは足並みを揃えたいのです」とのお返事でした。今年も佐藤兼郎副知事が岡山経済同友会や商工会議所連合会を訪ねてクールビズへの協力を依頼しています。働く側にとっても猛暑の季節に上着を着ていては暑いに決まっているので、軽装は歓迎すべきところでしょう。
アパレル業界はノーネクタイでもだらしなく見えないシャツスタイルを模索し、消費者に提案してきました。写真は中でも成功した例で、襟元に釦を縦に二つ並べてアクセントにしたボットーニというデザイン。本体はピンクなのですが襟とカフスを白生地にしたクレリック仕立てにしています。最初からネクタイができない開襟シャツもお勧めですがクールビズはあくまで機能優先の仕事服であり、おしゃれに着こなすのは難しいようです。