今日の一句
寒念仏やかんの蓋が踊り出す
2020年02月01日号
小寒(今年は1月6日)から立春前日(同2月3日)までの30日間を「寒の内(かんのうち)」と呼び、一年で最も寒さの厳しい頃とされている。寒念仏(かんねぶつ)は寒の間連日鉦を打ち叩きながら声高く念仏を唱えて野外を巡回する寒行のことだ。元々念仏僧が夜間に降り積もった雪を踏みしめながら行う苦行で、のちに俗人が門付けとして行うようにもなった。大津絵の「鬼の寒念仏」=挿絵=は姿格好こそ念仏僧ながら心中の欲望が表に現れた偽善者の姿を描いたものなのだが、ユーモラスな絵柄が子どもの夜泣き等に効く護符として人気を集めるようになった。
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