四季
NHK大河ドラマ「軍師黒田官兵衛」
2014年08月01日号
NHK大河ドラマ「軍師黒田官兵衛」の放送に伴い、官兵衛の策とされる水攻めの舞台、高松城址公園(岡山市北区高松)を訪れる観光客が急増しているという▼水攻めは備中高松城より低地に堤をわずか12日で築いて、約5千人が立て籠もった城内を水で満たし兵糧攻めにした奇策である。本能寺の変が起きた際、官兵衛が「中国大返し」を同地で進言して豊臣秀吉の天下獲りを決定づけたとされている▼現在は堤防の一部などが残るのみだが、城跡周辺が公園となり、園内の資料館には水攻めの再現模型を展示している▼JR岡山支社は、放映にあわせ黒田官兵衛ラッピング列車を運転。弁当販売の三好野本店は、水攻めをイメージした駅弁「官兵衛の水攻め弁当」を岡山駅などで販売するなど地元は大いに盛り上がっている▼春先の放送では、京都から追放された足利義昭が備後・鞆の浦に御所を設け政務を取り始めた、所謂鞆幕府が取り上げられていたが、地元福山では観光客を誘致するどころか、話題にも上らなかった。当時幕府が福山にあったと言っても、市民にはピンと来なかったのかもしれない▼岡山に負けないように福山も街づくりを盛り上げていかないと、鞆幕府のようにやがて福山が滅亡してしまうのでは。(i)