クロダルマ(株)
社長 平慶一郎さん
〝ことを為すは逆境にあり〟

2022年06月01日号

若手寄り添い新規事業に挑戦

たいらけいいちろう(40)

ワーキングウェア・カジュアルパンツなどの製造販売で、今年80周年を迎える。定番のワーキングウェアや関連商品のほか、2017年からEF(電動ファン付き)ウェアを独自開発し、気化熱を利用するインナーなどの猛暑対策商品、アウトドアなどにも利用しやすいワークカジュアルブランドなどを展開している。慶一郎さんは今年2月、3代目社長に就任した。

―社長に就任されましたが、感想を聞かせください

「祖父で創業者の平克巳相談役から平謙介現会長が社長を継承したのも38歳の時であり、自分も5-6年前からそろそろではないかと覚悟はしておりました。ただ、継承を告げられたのが昨年12月で、決算(11月)が終わったとはいえ驚きました」

「80年の歴史の中には、石油危機やバブル崩壊、震災やリーマンショックなど様々な困難がありましたが、社員一丸となって乗り越えてきました。今はコロナ禍や戦争などもありますが、何もしなければ朽ちていくだけです。〝ことを為すは逆境にあり〟を座右の銘としており、ピンチの中に活路を見いだすことが大事で、そのためには何でもやってみようと、やらない理由を探すよりやる工夫を見つけようと、会議にも積極的に顔を出し、若手と話す機会も増やしました」

―EFウェアを独自に開発されてますね

「弊社は17年から手掛け始め、18年にオリジナルの定番ブランド『AIR SENSOR-1=エアセンサー1』からKS-10を世に出し、20年には薄型で防滴、携帯電話などで簡単な操作ができるブルートゥース対応などの機能を増やした『KS-30』、翌21年には薄型で低騒音、高耐久、バッテリー一体型のコードレス『KS-50』を発表しました。今年は『KS-100(AIR SENSOR neo=エアセンサーネオ)』=写真=として、86L/S(リットル/秒)の大風量タイプをリリースしました。これ以上の風量は必要ないかも知れませんので、来期からは、安定して長時間使える、速攻充電、薄型タイプなどに移行していくと思います」

―今後の展望を

「震災復興やオリンピックなどで公共工事が増えたことや、アウトドアブーム、ネット通販などの活況で、機能性が高くデザイン性の優れたユニフォームに注目が集まっております。ただ、制服は大量に在庫を抱えていなければなりません。在庫管理・欠品対応と効率化は常に課題です」

「青年会議所の活動で学んだ、若手ならではの改革していくエネルギーを大切にしたい。SDGsにも注力し、長年会社を支えてきた会長を始め役員との間をつなぎつつ、現場の声を届けたい若手社員の思いに寄り添い、新しい事業にも積極的に取り組んでいきたい」。

▽クロダルマ(株)=府中市中須町691、電0847・52・5252、https://kurodaruma.jp/

▽平慶一郎=1981年、福山市生まれ。2004年3月帝京大学経済学部を卒業後、4月 からクロダルマへ入社。15年に取締役業務本部本部長兼生産部長、17年に常務取締役、22年2月より、代表取締役社長へ。なお、11年7月に〔一社〕府中青年会議所へ入会し、19年1月、第57代理事長に就任。