㈱ソゴウ
社長村田真悟さん
展示場開設で新たな商機

2023年06月10日号

むらた しんご(49)

事業承継後売り上げ伸ばす

 ソゴウの前身は、先代の十河子誠(そごう しせい)社長が1982年、福山市草戸町で創業した「ソゴウ商会」で、社名は先代の名字に由来する。ちなみに同名の百貨店「そごう」の名称は、創業者・十合(そごう)伊兵衛からとっているが、同社と百貨店の関係は無い。十河社長が2020年12月に急逝し、急遽村田さんが事業を引き継ぐことになる。先代と血縁関係は無く、人柄と真面目さを買われ21年1月、社長に就任。コロナ下での事業承継となったが、困難な状況を見事乗り切った。

─主力となる事業について話して頂けますか
「柱となるのは新建材を家具屋、建具屋さんに卸す事業です。新建材とはメラミン化粧板、ポリ合板などで、本物の木の代わりとして、店舗の什器や住宅の別注家具、建具に使用されることがふえてきて、需要が拡大しています」
─就任後、増収増益で推移しているようですが
「以前年商は6億前後で、7億を突破することが目標でした。今年の3月決算では7億3千万円を突破することができました」
─売上を伸ばすためにどんなことに取り組みましたか
「従来通り建材を売るだけでは頭打ちになってしまいます。販路を拡大するか、若しくは違う事業に取り組むか、様々な視点から見つめ直し、検討しました。そういった状況のなか、当社は、主にBtoBの取引を主体としていますが、BtoCにも取り組むべきではと言う考え方と、大手のアイカ工業(名古屋市)の商品がSNSで話題になり問い合わせが増え、ショールームが近くでは大阪にしかなく『もっと身近で見て触ってもらえる場所を提供したらどうか』という考え方が浮上してきました。そういった流れでインテリア家具・雑貨の展示と、空間をプロデュースする店舗『ル・オーゴ』(同市南蔵王町5─17─36、電同999・5516)が誕生しました」
─ル・オーゴオープン後、事業に与えた影響は
「家具屋・建具屋さんに新建材を卸すのがメインだっただったのですが、従来の取引先だけでなく、ハウスメーカーや地場の工務店さん、設計事務所さんが展示場に来て頂けるようになり、新たな販路を開拓することができました。施主さんが展示場を訪れてアイカ工業のスタイリッシュカウンター、スマートサニタリーを見て、直接購入してもらったり、工務店さんを通じて納品するようなケースも出てきています。BtoCからBtoBに繋がっていく商売の形態が生まれてきました」
─今後の事業展開は
「昔は、住宅の建具はすべて建具屋さんが製作していました。メーカーの既製品建具が普及し、新築はほぼメーカー品になりました。入社後数多くの建具屋さんが廃業し倒産しました。建具屋さんの仕事は日本古来の職人技で芸術品だと思っています。高齢化が進み若い人のなり手が少ないのが現状ですが、建具屋さんと手を組み新たな取り組みができればと模索しています」

▽村田真悟=1973年6月24日生まれ。福山市出身。92年興譲館高校卒。94年㈱ソゴウ入社。2002年取締役。21年社長就任。趣味:インテリア・家具の研究。

▽㈱ソゴウ=福山市千田町千田2007─1、電084・955・5518。1982年創業。87年法人化。2017年4月ソゴウ福山東開設。21年1月本社を現在地に移転。22年4月展示場「ル・オーゴ」オープン。