宝和ホールディングス
社長 藤本俊さん
環境対策でSBT認定へ

2023年06月20日号

24年に向けリレー輸送等


ふじもとしゅん(40)
社長・藤本 俊さん

運送業、鉄鋼業、保険代理店業、自動車整備業5社からなるグループ会社を運営する宝和ホールディングス㈱(福山市一文字町18―6、電084・954・9465)は、今年度、前常務取締役・藤本俊氏が全社の代表取締役社長に就いた。昨年は二酸化炭素排出量を削減できる全国でも珍しい「ダブル連結トラック」を2台導入するなど、国際レベルの環境対策にも取り組んでいる。

―就任から2カ月が経ちましたが
「各社が所属する業界は、大きく変化しています。グループ全体で同じ方向を向いて働くために、ビジョンを策定するプロジェクトチームをこのほど発足しました。当社が社会のために、なぜ存在しているのかという、なすべきことの判断基準を共有することで、プライドを持って仕事ができれば。チームには経営コンサルタントなど専門家も招き、策定まで半年程かかると思いますが、じっくりと取り組んで参ります」

―環境へ大変配慮されていますが
「運輸では、ダブル連結トラックの導入や、代替車両を低燃費車に転換しています。グループでは、社用車のハイブリッド転換、カーボンニュートラルの面でパリ協定設定の環境目標『SBT』取得を目指すために社内の温室効果ガス排出量算定を実施予定です。物流企業にはハードルが高い目標ですが、是非達成したい」

ダブル連結トラック

―そのほか、SDGsの取組があれば
「災害時用の食料備蓄、フードバンクへの寄付、発展途上国への水やワクチンの寄付事業への参加、地元サッカーチーム『福山シティFC』への『ゴールドパートナー』としての支援、社員に向けたSDGs研修、環境、地域・社会貢献ほか、様々な面から行っています」

―2024年問題対策は
「中継地点で荷物部分を切り離し、パートナー企業への受け渡し、交換を行う『リレー輸送』を推進してドライバーの労働時間を軽減します。また、デジタコの更新など見える化の徹底など、社内でできることは全てやっていく所存ですが、これは業界全体の問題で、荷主様のご理解・お力添えが必要です。スムーズな積み下ろしへのご協力を何卒お願い申し上げます」

―新たな取組は
「新営業所と新倉庫建設と稼働に向けて現在動いています。また、近い将来、各事業会社社長の社内登用を目指すことで、資本と経営を分離させたいと思っています。グループ各社の情報交流を図り、シナジー効果を高めてまいります」

―採用について
「随時行っておりますが、2025年度からの新卒採用を目指します。待遇面では、子供手当を新設し、その他充実させていく予定です。最近では物価高を受けて、生活応援手当を新設しました」

―意気込みをお聞かせ下さい
「これまでお世話になった人達やまちへの恩返しとして、留まることなく、世の中の流れを常に見据え、なすべきことに邁進して参ります」

▽宝和ホールディングス㈱福山市一文字町18―6、電084・954・9465。
▽藤本俊 1982年12月生まれ。2006年上智大学経済学部経営学科卒。採用コンサルティング会社、会員制リゾートホテル会社勤務を経て10年に宝和グループに入社。宝和運輸・宝和鋼業常務、信濃不動産社長、福山海陸運輸の常務を歴任し、22年には〔公社〕日本青年会議所の監事を務めた。