合同会社つなぐ和
代表 亀田年保さん
クリエイター塾で創造人材育成
2025年12月10日号
尾道市民のQOLを高めたい
1992年に読売テレビへ入社し、「名探偵コナン」「秘密のケンミンショー」「そこまで言って委員会」など様々な番組に関わった。2020年に退職後、21年に尾道市で街づくり会社「合同会社つなぐ和」を創業。23年に尾道市長選挙に出馬し2万8千票余りを得るも303票差で次点に。現在は、同社代表のほか、社会課題解決のため行政と民間とを繋ぐ〔一社〕日本GR協会(GR:ガバメント・リレーションズ)のチーフGRオフィサー、NPO法人プラットフォームおのみち理事、尾道映画祭実行委員などを務めている。
―「尾道クリエイター塾」を開講しましたね
「クリエイター塾はGR協会で最優秀アワードに選ばれた活動で、熊本県合志市で10年前から行われてきました。他の市町でも自治体が主体になって運営しており、主婦や高齢者、企業家がプロ顔負けの映像クリエイターになって、実際に地域活性化に寄与しているそうです。尾道は映画の町で、長い歴史や独自の文化があり、どこを切り取っても〝映える〟絵が撮れます。また、チームを組んで映像を作る課題もあり、年代や感性の違う人同士が協力し、化学反応を起こしあうことで新たな学びができます。そうして様々なことを学んだ〝創造人材〟たちは、地域のことをよく知り、地元を愛し、間接的に尾道のPRや活性化に寄与してくださるようになります」
―どうして尾道で始めたのでしょう
「28年間読売テレビに勤めていましたが、09年から2年間早稲田のビジネススクールへ通い、尾道観光大使にもなり、尾道と関わることが多くなりました。尾道はたくさんの可能性がある町です。しかし、人口減少や空き家問題、稼ぐ街にしなければならないなど、様々な課題があります」
「仕事柄、人材や企業、都市圏と様々なコネクションがある『亀田年保』というコンテンツが、そんな尾道の役に立てるのではと思いました。『H型人材』という、自分自身も特定の専門分野を持ちながら他の専門家とつながる能力を持つ人を言いますが、まさに自分はそのつなぎ手になれると思ったのです。それで、『つなぐ和』という会社を立ち上げました。人と人、心と心、地域と地域を繋ぎ、新たな価値を創造して地域社会や世界平和に貢献し、新たなイノベーションを構築していきます。クリエイター塾もその一つです」
―今後のことは
「動画クリエイターを増やすことは、尾道の文化や発信力の底上げにつながります。さらに、映画祭や企業の盛り上げにも、スポーツや映画、出版、アニメ業界とのパイプが役に立つと思っています。来年も受講生を募集する予定です(詳細はHPなど参照)。また、東京大学の松尾・岩澤研究室から派生したスタートアップ㈱SCIENの田端そらCEOとご縁ができました。そういう最新技術を生かした事業を応援し、尾道市民のQOLを高めていくお手伝いが出来たらと思っています」。
▽合同会社つなぐ和=尾道市日比崎町、電0848・51・7975、https://kameda-toshi.com/
▽亀田年保=1970年、広島県生まれ。82年、尾道市立日比崎小学校卒。金光学園中学・高校ではバレーボール部でキャプテンを務め、92年に関西大学法学部を卒業後、読売テレビ放送㈱に入社。2011年に早稲田大学ビジネススクールを卒業してMBA(経営管理修士)取得。21年、まちづくり会社『つなぐ和』創業。リードでの紹介以外に、尾道ライオンズクラブ、尾道倫理法人会、中小企業家同友会尾道支部会員、〔一社〕熱意ある地方創生ベンチャー連合メンバー など。

