㈱土屋
取締役 吉岡理恵さん
目の前の課題にがむしゃらに

2022年05月20日号

自分らしく歩んでいきたい

よしおかりえ(40)

㈱土屋は、重度障がい者の訪問介護事業を柱に、41都道府県に46の事業所を展開するソーシャルビジネス企業。研修・訪問看護・出版事業など幅広く手掛け、企業として継続できる社会福祉に取り組んでいる。取締役として、内部監査室長・委員会推進室長・顧問会事務長を兼務する吉岡理恵さんにインタビューした。

―委員会推進室長の業務はどのようなものですか

社員集合写真 福山市にて

「7つの委員会があり、ジェンダーイクオリティ委員会とハラスメント委員会を担当しています。ジェンダーイクオリティ委員会は、管理職の男女比を半々にする目標を達成するための機関です。手探りの状態で試行錯誤しながら進めていますが、昨年の1年間は女性管理職を対象に、定期的なミーティングや研修会を行いました。今期に入り、社長の高浜が厚労省主催の『輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会』に参加しました。女性活躍推進法による職業生活と家庭生活との両立支援などに取り組むため、一般事業主行動計画を策定し、『えるぼし認定企業』を取得できるよう進めています。目覚ましい変化はありませんが、社員の意識啓発に繋がればと、取り組んでいます。また、更年期世代の職員のための健康相談窓口を設置しました。窓口委員の方々とコミュニケーションを重ねる、女性の社内のネットワークづくりに貢献したいと考えています」

―これまでのキャリアについて教えてください

「勤めていた会社が2017年から全国展開を始めました。30代の頃、訪問介護サービスを提供する現場のエリア管理者として任された時は本当に大変でした。ヘルパーさんの取りまとめだけでなく、事業として新規開拓を進める課題もあり、いわゆるビジネスを学びました。エリアの立て直しや東海ブロック4県の取りまとめの後、関東に戻りブロックの管理者になるなど、経験を積んできました。目の前の課題にがむしゃらに取り組んだことが今に繋がっていると思います。私自身の本質は変わっていませんが、取締役という立場なので、周りの見方が変わってきたと感じることがあります。人生を自分らしく歩んでいけたらと思います」

―今後の目標について

「男性が築き上げてきたルール(社会)の中で、女性が活躍するためには、男性同様の働き方ができなければ、これまでは通用しなかったように思います。今を過渡期と捉えて取り組むことで、すぐには変わらなくても、10年、20年後に変化をもたらすと信じています。職員の総数は女性が若干多いですが、現場の管理職であるエリアマネージャーやブロックマネージャーは男性の比率が高いです。管理職の男女比を半々にすることを目指し、取り組んでいきたいと思います」。

吉岡理恵=1981年生まれ。東京都立大学経済学部卒業後、20代は法律系事務所に勤務。30代で介護・障害福祉分野の現場で実務や組織マネジメントを学ぶ。現在、同社取締役として東京都を拠点に働く。

㈱土屋=井原市井原町192―2 久安セントラルビル2階、高浜敏之社長、電050・3733・3443。