ナマステ・ガネーシャグループ
代表 ノティヤル・サッチンさん
カレーでサクセスストーリー

2023年04月01日号

インドと日本の橋渡しがしたい

ノティヤル・サッチンさん(52)

12年間インドの一流ホテルで働き、料理長を歴任。1999年に友人の勧めから来日し、日本風にアレンジされたカレー料理に驚いたという。2006年に倉敷市で起業し、日本人の口に合うカレーを模索しながら、多店舗展開で本場のスパイスを使ったカレーを広めてきた。現在岡山を中心に5県で10店舗を展開(5月に11店舗目をイオンモール岡山内に出店予定)する「インド人が作るインドカレー専門店」を運営する。

―料理人を目指したのは
「幼い頃から料理が好きで、母をよく手伝っていましたが、美味しいインドの料理をたくさんの人に食べて貰いたい、笑顔になって貰いたいと思うようになりました。父は大学でサンスクリット語の研究をしており、兄も教師で、私にも教育関係に進むことを望まれましたが、〝好きなことを一生懸命やることがサクセスストーリーを生む〟と思い、料理の道に進みました。おかげで、遠い日本の地で成功しています」

ガネーシャスペシャルセット

―お店の特長は
「〝本格的なインド料理が気軽に楽しめ、健康を考えて居心地の良い空間を提供する場所〟というコンセプトの元、約40種類のスパイスや日本人のカレーの食べ方なども研究しました。お子様も食べられるよう辛さは6段階で調節し、カレーラーメンなど新メニューにも挑戦しました。他にも、例えば米は日本の美味しいお米を使うなど、インドと日本の良いとこ取りをしてより美味しい料理に仕上げています。ただ、牛肉だけは扱いません」

―岡山で開業されたのは
「来日して大阪や東京などいろいろ回りましたが、『岡山県は土地柄、商売をするのが難しい所』と聞き、チャレンジしてみたいと思いました。おかげさまで、現在は岡山県内に6店舗(岡山市=十日市・大安寺店、倉敷市=倉敷・水島店、津山市=津山・国分寺店)広島県内は福山店(駅家町倉光)のほか、愛媛や香川、島根、茨城県内に店舗があるなど、全国で受け入れてもらえるようになりました。岡山での学びのおかげであり、今ではその判断が正解だったと思っています」

―今後の展望を
「実際にインド人が経営しているインド料理店は少ないのですが、弊社はインド人ばかりで、料理はみなインド国内で10年以上の経験がある人にしか任せておりません。衛生面でも教育が行き届いています。私が伝えたい『本物のインド料理の美味しさ』を全国に広めていきたいし、料理でうまく融合できたように、両国の橋渡しをする事業も行って、インドと日本がもっと仲良くなれるような仕事がしたいので、意欲のある方は是非お声かけ下さい」。
※5月末まで、経済リポート持参者には、グループ全員にドリンク類を1杯サービスするという。

▽ナマステ・ガネーシャグループ=岡山市北区野殿東町1―55、電086・224・2739、https://namasteganeshagroup.com/

▽ノティヤル・サッチン=1970年12月生まれ。インド北部のウッタラーカンド州デヘラードゥーン出身。飲食に関する経営学を大学で学びながら88年頃よりホテルのレストランなどで働き始めた。デリーやムンバイなどの一流ホテルで腕を磨き、99年に日本へ。料理や文化を学びながら2006年に倉敷市内で起業した。