瀬戸内造園㈱
専務取締役 青木浩平さん
25年前に祭り「うらじゃ」開始

2018年05月10日号

あおきこうへい(39) 
〔公社〕岡山青年会議所 理事長

「ひとづくり」から「まちづくり」へ

 青年会議所(JC)は日本国内に697団体あり、3万7千人の会員がいる。メンバーは20歳─40歳の「明るい豊かな社会の実現」を目指す経済人・文化人らで、地域経済の牽引役を担っているものも多い。一方で市井からは「2代目、3代目のボンボンの集まり」と揶揄する声も聞こえてくる。青木浩平さんは今年1月、岡山市を拠点とする岡山JC(会員数96人)の本年度理事長に就任し、「JCって何をしている団体なの」という市民の問いに真摯に向き合おうとしている。

─岡山JCは25年前に夏祭り「うらじゃ」を始めた団体ですね
「その通りです。『うらじゃ』のような目に見える事業に注力していれば認知度はもっと上がると思います。しかしJC本来の目的は事業の実施ではなく『ひとづくり』です。メンバーが活動の中から利他の精神を学んで地域に貢献できる人間となり、身近な人を巻き込んでその人の意識も変えていく。意識改革を連鎖させて『まちづくり』ができる人材を育てる組織がJCです。私がJCで学んだのは効率が求められる世の中の風潮に逆らい、時間と手間をかけて妥協のない人間関係を築くことの重要性です。共に過ごす時間に意義を感じ、この人のためだったら頑張ろうという意識が生まれることで組織の強い一体感が醸成されます。昨年亡くなられた野津喬先輩(日本カバヤ・オハヨーHD会長)は『経営者に必要なのは絶対的な経験値とネットワークだ』とおっしゃっていました。一生涯続く強固な人的ネットワークを築けることがJC最大の強みです。」
─理事長年度に何を目指しておられますか
「先輩諸氏が積み重ねてこられた実績により、JCは市長、県知事に直接意見が言える団体となっています。今後も存在意義を継続させるためには市民や行政の皆さまが共感できる事業を実践する必要があります。現在大きな問題となっているのは人口減少で、産業の担い手不足や地域コミュニティの機能低下の原因となっています。私どもが皆さまの共感を得られる事業・運動を展開することが郷土の誇りとなり、岡山へ戻る方、移住する方を増やすことにつながると思っています。」
─本業である瀬戸内造園も好調です

後楽園内の松の手入れも瀬戸内造園の仕事

「個人のお宅の庭木の剪定から百間川緑地の管理まで、造園、芝刈り、樹木保護や伐採、植栽など緑のこと全般が瀬戸内造園の仕事です。後楽園の維持管理もさせて頂いているので、園内で私どもの仕事ぶりをご覧になる機会もあるかと思います。後楽園の年中行事である松のコモ巻きや芝焼きを行っているのも当社の社員です。」

▽青木浩平=1979年3月20日生れ。西日本短期大学造園芸術コース卒。
▽瀬戸内造園㈱=岡山市中区西川原28−1、電086・272・2171。従業員数22人。
▽〔公社〕岡山青年会議所=岡山市北区厚生町3−1−15岡山商工会議所ビル6階。電086・223・0938。岡山JCは1951年に日本で9番目のJCとして設立された。