大木建設
農産物の販売を強化
中食市場の拡大が追い風

2022年09月20日号

ハウス栽培で安定供給

生産物を説明する栗原農場長

建設業地場大手の大木建設㈱(福山市新市町戸手626―1、吉元大輔社長、電0847・40・3448)は、世羅町内でハウス栽培した農産物の販売を強化している。中食市場の拡大を背景にスーパー向けに葉物野菜やバナナを出荷。主力の建設業は、家電量販店最大手から受注があるなど、業績が拡大しており、農業分野を一つの柱に育てる。

大木建設は、同業の富士建設㈱(同市神島町)を買収し、関連会社化するなど、備後地区最大手の建設業者に成長。農業分野は2011年5月、吉元秀徳会長が参入を決めた肝いり事業で、サンチュやマルチリーフなど3種類の葉物野菜に加え、19年からは岡山市の農業法人㈱Ⅾ&Tファームから収穫量が通常の倍以上のバナナの苗を買い取り、自社ブランド「美バナナ(ビバナナ)」の生産にも着手した。スタッフは12人。

収穫前の美バナナ

4棟(延べ1万3400㎡)のハウスで通年栽培し、年間70tを広島市内や備後地区のスーパーに向け出荷する。露地栽培では収穫が天候に左右される傾向にあるが、ハウス栽培での安定生産を打ち出す。また、規格外品の「美バナナ」は福山市新市町の本社でジャムに加工し、自社通販サイトで販売する。

農業事業のオオキファームアグリ事業本部の栗原浩志・農場長(66)は「減農薬で水にもこだわった安心安全な商品の販路を拡大させたい」と話した。

同社は1980年2月設立。資本金2千万円。東京都と大阪府、福岡県に計3支店を持つ。