アドバンス
府中家具給食をM&Aで傘下に
業務効率化図り事業価値高める

2023年10月01日号

食材の共同購入や雇用促進も

介護施設や居宅介護支援事業などを営む(有)アドバンス(府中市鵜飼町681—1、藤岡秀行社長、電0847・44・0882)は9月1日、㈱府中家具給食(府中市元町100―1、電同・45・3875)の株式をM&Aで取得し、グループ企業に加えた。業務の効率化を図るとともに、相乗効果を高めていきたいとしている。

府中家具給食は1962年、府中家具工業協同組合の内部組織として給食部を開設。給食事業場を新設して同組合員向けの弁当配送業務を開始した。64年に同組合より独立し、府中家具給食協同組合を発足。その後の府中家具業界の事業縮小に伴い、1960年代から70年代にかけてのピーク時には4千食以上あった弁当数が、現在は2千食に半減し、売り上げも2億5千万円を切るほどになってきた。

現在は組合員以外に、一般事業所の弁当(産業給食)や保育所(広谷、上下)の給食調理などの業務も受託。介護食なども請け負っている。2019年に法人化したが、コロナ禍の影響や食材や燃料費・電気代の高騰などもあって、更なる業務改善に取り組んでいた。

ヘルシー弁当(570円)

アドバンスは直営の厨房を持ち、介護付有料老人ホームやグループホーム、デイサービス、企業主導型保育園などで食事を提供。今回のM&Aによって、給食サービスの相乗効果に期待を寄せている。

今後は食材の共同購入や味の向上、急速冷凍による長期保存なども検討するほか、人材の適正雇用や労働環境の改善、効率化のためにDXを導入するなど手掛けていく。また、外国人材の登用や、障がい者雇用の一環として農業と福祉を組み合わせた「農福」にも挑戦していく予定。

藤岡社長(39)=写真=の話「府中家具給食は当面現状を維持し、働いている方の処遇などを見直して社内の立て直しを図っていきます。ひとつずつクリアにしていきたい」。