農商工連携を目指すチーム渡邊
伊勢神宮内宮へ各社が逸品奉納
ハローズ・キムチ美人本舗

2023年12月10日号

アイデアル・岡山第一ビデオが参加

〝農商工連携を目指すチーム渡邊〟は10月16日、「伊勢神宮奉納プロジェクト」として、伊勢神宮の内宮への正式参拝と参加企業各社の逸品を奉納した。岡山・広島県内に本社がある4社を含め、福岡県から宮城県までの15都府県から31社2団体約230人が参加。奉納による各自のモチベーション向上と、参加者同士の交流による情報共有や、横展開での県境を越えた新たな事業が生まれることなどが期待されている。

プロジェクトは、元福山市立大学教授で現三重大学名誉教授の渡邊明さん(77)が企画。五穀豊穣を感謝する祭「神嘗祭(かんなめさい)」の式典当日に商品を神楽殿へ奉納し、正式な献饌(けんせん)のひとつとして天照大御神にお供えするという事業で、2006年から毎年10月16日に行われている。実際に、四国の魚介類の産地と静岡の食品メーカーとのコラボ商品が生まれたり、リモートを使った勉強会が複数の県をまたいで行われたりしている。

中央がハローズ佐藤本部長

岡山・広島県からは、24時間営業の地場大手スーパー㈱ハローズ(本社=福山市南蔵王町6—26—7、本部=岡山県早島町早島3270—1、佐藤利行社長、電086・483・1011)やキムチ美人本舗㈱(福山市曙町5—3—12、山本聖貴社長、電084・981・5666)、映像制作のアイデアル㈱(同市引野町4―1―8、徳永明彦社長、電084・961・3339)と岡山第一ビデオ㈱(岡山市北区南方3―8―39、同、電086・803・8777)の3社と、全国でFC展開を行い両県内に4店舗を構える高級食パンの銀座に志かわ(㈱銀座仁志川、東京都)がそれぞれ奉納した。

左から掛川市の久保田崇市長、キムチ美人本舗山本社長、アイデアル徳永社長

ハローズは、ハローズセレクションの「りぼんかりんとう」、「芋けんぴ」、「むき甘栗」、専売品の「さつまいも甘納糖」を奉納。商品ライン本部副本部長兼商品企画部長の佐藤新三さんは「瀬戸内海沿岸の7県で104店舗を展開しており、11月、12月で新たに2店舗を加えます。御利益を賜り、2025年には120店舗、営業収益2千億円の売り上げを目指す弾みをつけたい」と話していた。

キムチ美人本舗は同企画で知り合った㈲とよや勘兵衛(三重県南伊勢町)製「ソマカツオの塩切り」などを使った氷温熟成「盛たにキムチ」(福山市三吉町のうどん店「盛たに」で使用)と中四国の大手スーパーエブリイで販売中の「甘口キムチ」を奉納。山本社長=写真中=は「今年で9年目の奉納です。来年の10回目の節目に向けてまた1年頑張ります」と話した。

アイデアルは、昨年の奉納プロジェクトを撮影して編集した動画を収めたDVDを、銀座に志かわは水にこだわる高級食パンと月初め食パン(北海道産カボチャ餡入り)を奉納した。

なお、アイデアルはショートムービー(22年度版=https://youtu.be/GPjnqfGZAxU?si=R5fYPmbL7CUd4W6t)を作成・限定公開しており、今年度の全体版DVD(33社版)を来年奉納する予定。

内宮への奉納には厳然としたルールがあることから、渡邊名誉教授は「商品管理や会社経営のクオリティが高い企業でなければ奉納が許されません。そうした優れた経営者同士が、悠久の時を刻む日本最高の神様の前で結ばれ、最新のDXで繋がって新たな商品開発や地方経済の活性化が実現できれば面白いと思います」と意気込んでいる。