中塔工房
軽トラ用木製キャビンを開発
シニアが使いやすいUD設計

2024年02月20日号

「車中泊やマルシェで利用を」

一級建築士事務所「中塔工房」(府中市栗柄町3032—5、中塔昭晴代表。電070・7533・2022、nakatou2022@gmail.com、LINE公式アカウント@448fyhbt)はこのほど、コロナ禍以降のアウトドアブームを背景に軽トラUDキャビンを設計し、製造販売を始めた=写真。UD(ユニバーサルデザイン)を設計思想に活かし、ターゲットとする60代以上のシニア層が安心してオートキャンプや車中泊などを楽しめるよう工夫している。

中塔代表(62)=写真=は世界的な設計事務所㈱日建設計(東京都)に約40年勤め、主に全国で約50施設、特に病院や福祉施設では約30棟(累計3千ベッド)の設計に携わりながらUDについての経験を積み上げた。定年退職を機に2022年6月にUターンし、翌年「人生100年時代をともに」をモットーとした一級建築士事務所を設立した。

第2の人生は「田舎暮らし」をすると決め、6年前には、当時住んでいた栃木県にある「非電化工房」の〝地方で仕事を創る塾〟に参加した経験を活かして制作した木製キャビンはDIY(手作り)情報マガジン「ドゥーパ」の第23回車部門賞を受賞し、同誌に掲載された。

キャビン内の様子

「だれでも、容易に、危険なく、使い勝手よく、気持ちよく」というUDの思想が施されたキャビンは、荷物扱いで取り外しも容易。全面に30㎜の断熱材を張り巡らせてあり、真冬の東北でも問題なく過ごせるという。運転席上のバンクベッドは収納場所や寝台として利用できる。テーブルは可動式でフラットスペースにでき、椅子の下は収納庫になっている。両側面と天井には跳ね上げ式の窓があって明るく、マルシェなどでの移動販売車としても活躍できる。木材は調湿効果や温かみのある手触りがあり、木目は安らぎを与える。

中塔代表の話「元気に動き回れるファミリー層向けのキャンピングカーが多いので、シニア層が気軽に使いこなせる新しいキャビンを考えました。これからもニーズに合わせて進化していきます。ぜひいろいろな用途にお使いください」。