新市和田歯科医院
インプラント手術に新技術導入
骨補填材使わず自家骨で強固に
2024年09月10日号
低侵襲で感染症なく回復も早い
新市和田歯科医院(福山市新市町新市695—2、和田 勝院長、電0847・52・6480)はこのほど、上あごへのインプラント埋入手術に新技術「ソケットリフト」を導入した。上あごの歯の上には上顎洞(じょうがくどう)という空洞があり、一般的には、抜歯後薄くなった部位には骨補填材(人工骨)を移植する「サイナスリフト」が行われているが、難易度が高く、課題とされてきた。新技術は安全で簡単な手術で済み、低侵襲で治療期の短縮などが実現できるという。
上顎洞は鼻腔に繋がっており、異物や細菌が入れば感染症や炎症、蓄膿症などを患う恐れがあるため、同院でもインプラント体を支える為の骨の厚みが足りない場合はほとんどサイナスリフトで対応してきた。ただ、同手術は患者の負担が大きいため、和田院長は他の方法を模索。その中で、「4—Sコンセプト・抜歯即時埋入」を提唱している林揚春歯科医師(東京都)の新技術に出会った。
同技術で上あごにインプラントを埋入する際、ソケットリフトは逆回転させる専用の特別なドリルを使用する。削られた骨はそのままドリルの外側壁に圧縮され、緻密化されて骨の強度を高めるようになるという。さらに、上顎洞へドーム状に自家骨(削った骨)を押し込むことで、同洞内の「シュナイダー膜」という粘膜をテント化し、鼻腔内への感染症リスクを低減した上でインプラントを埋入することができる。さらに、インプラントも短いもので済み、出血や腫れもなく回復も早くなるという。
和田院長は「通常、骨補填材を入れて定着するまでは4―5カ月かかっていましたが、自家骨なので約半分の期間(12週前後)で最終の被せ物が装置出来るようになります。インプラントの施術は40年以上の経験がありますが、今回の施術は画期的な方法だと思います。サイナスリフトが不安に思われる方や、骨が薄いからインプラントができないと悩まれている方は、是非ご相談を」と呼びかけている。