医療と宗教の連携を深める会
ACPに医療者と宗教家が協力
福山で発足 全国初の取り組み

2025年04月01日号

中心メンバー 丸山典良氏ら9人
終末期の治療や過ごし方などについて、患者がどのような医療を望み、どう過ごしたいか、などを家族や医療者らと話し合う取り組み「アドバンス・ケア・プランニング(ACP)=人生会議」が、国を始め医療関係者の間で真剣に論議され始められているという。

この取り組みに宗教家を加えた、全国でも初と見られる「医療と宗教の連携を深める会(i&i)=アイ アンド アイ)」が、福山地区で丸山典良氏(まるやまホームクリニック院長)らを中心に発足。3月20日に浄土宗 大念寺(福山市寺町1―20、佐伯拓哉住職)で開かれた「春彼岸会」の講演「お寺で行うACP」で、その活動内容が明らかにされた=写真。

「i&i」発足のきっかけは、福山医師会が主管して、これからの在宅医療を考えるために2010年に発足した「福山在宅どうしよう会」(世話人代表・丸山氏)で、丸山氏は今回の取り組みについて次のように説明する。

「福山在宅どうしよう会では、在宅医療に携わるにあたり、患者さまの死や、その死に寄り添う家族の方々に対し、死生観などを医療者しか説明できない現状に、違和感を覚えておりました。身体的だけでなく、人生の意味や死生観、価値観やその変化などに対し、精神的な苦痛を癒す『スピリチュアル・ペイン』を行うにためにも、その道のプロである宗教家に加わってもらえないか、ということを起点として『i&i』をスタートさせることになりました」。

中心メンバーは、丸山氏と、吉岡 孝(よしおかホームクリニック)、前原敬悟(医療法人 滋生会 前原病院)、岡崎正典(福山市民病院)、山崎弘貴(福山医療生活協同組合 城北診療所)、三上佳子(みかみホームクリニック)、猪原 光(猪原[食べる]総合歯科医療クリニック)、村上泰教(石鎚山真言宗 日切大師 弘元寺)、平田悟史(㈱ファーマシィ)の9氏で、事務局は福山市医師会(同市三吉町南2―11―25)総務部 地域医療課(電084・928・7628)に設ける。今後、医療者、宗教家に向けて広く賛同者を募り、活動の幅を広げたい意向。