福山出身の井上育三さん
愛子さまとラオス首都で面会
「品性を纏ったオーラに圧倒」

2025年12月10日号

06年からラム酒LAODI醸造
天皇、皇后両陛下の長女・愛子さまは、日本と外交関係樹立70周年を迎えたラオスを11月17日から22日まで公式訪問されたが、21日に首都・ビエンチャンにある「CROWNE PLAZAホテル」においてラオスで活躍している日本人6人・1グループと面会。その一人で、2006年からラオスでラム酒「LAODI(ラオディ)」を醸造している福山出身の井上育三さん(71、LAODI社・会長兼製造責任者)=写真=とも懇談された。

井上さんとの懇談は7分間にも及び、サトウキビを原料に作る蒸留酒・ラム酒や現地での雇用について説明したなか「農産加工品で高付加価値の商品を作るビジネスモデルを、この国で実現させたいと思っております」と熱く語り、愛子さまも熱心に耳を傾けられたという。

井上さんは「愛子さまは笑顔がとても素敵で、品性を纏(まと)ったオーラに圧倒されました。私がラム酒を説明した際、アルコール度数が42%と申し上げたら驚かれ、『いやいや56%、72%もあります』と説明すると、微笑みから驚きの笑顔に変化し、そのお顔を拝見できたことは、何よりの喜びでした」と感想を述べた。

LAODI社が手がけているラム酒は希少価値のある「アグリコールラム」(農業ラム)で、サトウキビの搾り汁をそのまま醗酵させ、できた醸造酒を蒸留し、エタノールの濃度を高めてから熟成させる。主力商品はアルコール度数42度のLAODIなどラム酒2種類、リキュール6種類で年間計3万本を生産し、ビエンチャンにある直営店を通じて高所得層や観光客向けに販売しているが、フランス・パリで行われた「ラムフェスティバル」で高い評価を受け、2020年には世界三大酒類コンテストの一つ「IWSC(インターナショナル・ワイン・アンド・スピリッツ・コンペティション)」のスピリッツ(蒸留酒)部門で金賞を受賞した。ラム酒の愛好家の多いヨーロッパで人気が高まっているという。