経済リポート
メディアクリエーション事業部
デジタルサイネージ事業が拡大
2016年09月20日号
プランニングから設置まで
設置後はサイネージ運用指導も
東京、大阪、名古屋、福岡、札幌など大都市から広まっていったデジタルサイネージがいよいよ岡山・倉敷市や備後エリアで普及を始めた。本誌の調査だと、福山市では昨年あたりから設置が拡大しており、岡山市では昨年オープンしたイオン岡山の店内に約200台設置されるなど普及に拍車をかける。当社は2013年からデジタルサイネージ事業に取り組み、今年に入り設置事例が急増している。デジタルサイネージ事業の現状を報告する。 (稲毛一郎)
最初にデジタルサイネージ事業に取り組んでいる「メディアクリエーション事業部」について説明する。
現在事業部には①電子書籍部門②映像制作部門③デジタルサイネージ部門の3部門がある。旬刊誌・経済リポートの電子化及び速報化、経済リポートの記事と連携した映像制作、デジタルサイネージ普及のための営業と提案・設置―などに取り組んでいる。3部門の中でも特に売り上げを伸ばしているのがデジタルサイネージ事業である。
デジタルサイネージの歴史
日本国内では2007年が「デジタルサイネージ元年」と呼ばれている。同年、東京・六本木にオープンした東京ミッドタウンにデジタルサイネージが導入された。ネットワーク化した約150台のディスプレイを設置、地下1階通路に、館内イベントの案内が流れる10
3型プラズマディスプレイ3台を導入し、4ヶ国語対応のタッチパネル型の施設案内機が各階に計19台配置された。
その後東京など都市部で普及を始めたが、地方では普及しなかった。その理由は設置費用の高さにあった。07年当時ネットワーク型のサイネージを設置するには数千万円から数億円かかった。東京など都市部の経済は潤っていたが地方経済は疲弊しており、費用対効果が見込めなかったのが大きな要因と言える。
ところがここ数年サイネージの価格は大きくダウン、ネットワーク型にしても07年当時よりかなり安く設置できるようになり、備後エリアでも昨年あたりから各所で見られるようになった。
デジタルサイネージの
種類と設置場所
デジタルサイネージは、電子ポスター、電子情報ボード、電子ディスプレイ、電子看板、電子掲示板、電子広告板などと呼ばれ、最初はポスターをデジタルデータに変換したものを映すという概念から始まったが、現在は静止画、動画を自由に組み合わせて映せるようになった。
大きく分けて屋内型と屋外型に分けられる。屋内型は壁掛け型、埋め込み型が多くスタンド型がこれに次ぐ。サイズは20インチ程度から42インチ、47インチ、60インチなどがあり、大型だと100インチのものもある。表示装置として液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、映像プロジェクター、LEDなどが使われる。
屋外型は、液晶の場合太陽光をまともに受けシャットダウンするのを防ぐため、エアコン、ファン
など冷却装置がついている。埋め込み型とスタンド型がある。埋め込み型は大型化する傾向にあり、100インチ以上になるとLEDを使ったものもある。スタンド型は20インチから50インチ程度のものが一般的だ。
設置場所としては百貨店、スーパー、銀行、ホテル、映画館、ビルの壁面、アミューズメントスポット、病院、空港、駅、美術館などがあげられる。
デジタルサイネージの構造
屋内に設置した、埋め込み型や壁掛け型のデジタルサイネージはテレビとよく似ているが、似て非なるものである。
テレビは放送か、若しくはDVDプレーヤーで映画・映像などを映すことができるが、パソコンで制作したファイルを映すことはできない。
デジタルサイネージの場合、写真データ(jpgなど)、音声データ(mp3、wavなど)、映像データ(mp4、aviなど)を自由に組み合わせてファイルを作成し、usbメモリー、SDカードなどに保存、サイネージのSTB(セットトップボックス)などの専用パソコンに差し込んで映すことができる。機種にもよるが静止画しか映せないもの、音声機能がついていないものもある。ネットワークを組めば遠隔からデータをサイネージに送ることも可能だ。
テレビの照度は300カンデラ程度だが、サイネージは屋内型で500―700カンデラ、屋外型の場合は千―2千カンデラと明るい。
企画・提案から施工まで
経済リポート・メディアクリエーション事業部は提携企業と連携して、デジタルサイネージの初期プランニングからシステム設計・構築、設置工事・設定、コンテンツ作成支援、運用・保守まで取り組んでいる。特に設置した際には、設置先の担当者が運用できるようになるまで微に入り細に入りアドバイス・指導するようにしており、要望があればコンテンツの制作も請け負っている。
デジタルサイネージ事業に取り組むようになって福山市内の大型施設、ショッピングゾーン、化粧品店、飲食店、ホテル、道の駅などから設置の問い合わせが入るようになった。当社の設置例として天満屋福山店、アイネスふくやま、さんすて福山、天満屋ポートプラザ店、姫路市地下街・グランフェスタなどがあげられる。
※デジタルサイネージに関するお問い合わせは、経済リポート・メディアクリエーション事業部(電084・931・2000)担当、稲毛(いなも)か、溝部まで。