尾道の俳句選句会
全国から1173句

2019年06月01日号

尾道商議所主催

 尾道商工会議所(福井 弘会頭)は市内数カ所に投句箱を設けて「尾道の思い出に一句お詠みください」と観光客らに呼び掛けている。

 毎年、春夏秋冬の時季に「選句会」を開き鷹派狩行氏が選者を務め、時節に即した俳句の中から入選を発表している。

 今回は19年1月から3月に寄せられた1173句から次の作品を選んだ。※冒頭の最優秀句には選者の評を添えている。

【大人の部・955句】のどかさや岩をくぐりて千光寺(埼玉県、鈴木一孝、66)※千光寺への坂には、岩がのり出しているような所もあるが、のどかさでゆっくりと登って行く▽瀬戸内の香りかすかに春の風(東京都、安出悠人、22)▽桜咲く眼下に千光寺を望み(静岡県、安間恒雄、65)▽水道の小舟揺らして春一番(岐阜県、平栗俊二、65)▽花冷えや朱印集めて古寺めぐり(京都府、中筋恵子、55)▽ひなの日に少し汗して千光寺(大阪府、田中典子、58)▽バスでゆき船で戻りて春の瀬戸(大阪府、村上栄一、83)▽鉄瓶で芙美子の部屋に湯気を立て(尾道市、石井由起子、61)▽春風とともに登りぬ千光寺(東広島市、渡辺直水、41)▽尾道や春の瀬戸内ひとり旅(広島市、人走正昭、73)

【ヤングの部・218句】新緑のまぶしさ胸に千光寺(京都府、川岸夕夏、19)▽春風に木々がざわめく千光寺(福山市、辰川玉実、12)▽寺の道見下ろし眺む春がすみ(広島市、岩谷壮太、18)

間優秀句決まる

 同所は年間の優秀句を選んでおり、今回は18年4月から19年3月に寄せられた3900句から次の3句を年間賞として発表した※選者は鷹派狩行氏。

【最優秀賞】行く秋や林芙美子の住みし街(香川県、木下博夫、88)▽蝉声に耳を澄ませば風の声(大阪府、米山さやの、38)▽第一陣第二陣と風や花ふぶき(大阪府、村上栄一、82)