菊池酒造
中国など海外輸出にも期待
都市部でも販路確立に

2015年02月10日号

 

昨年、朝日米から雄町米に変え、好評を得ている「奇跡のお酒」を持つ菊池大輔専務

清酒メーカーの菊池酒造㈱(菊池東社長)はアメリカやオーストラリアに続き、中国へ向け、清酒の輸出を始める考えを明らかにした。アメリカやオーストラリアでは日本食レストラン向けに需要があり、中国では中華料理にもマッチすると飲食店での引き合いに期待する。菊池社長は「2020年の東京オリンピックまでのこれから5年間が日本酒の海外向けのセールスチャンスで、国内の少子高齢化もあり、海外向けの販売チャンネルも確立したい」と展望を語った。

アメリカのニューヨークには13年から、主要銘柄の燦然純米雄町を、昨年からはオーストラリアのシドニーとメルボルンに向け、燦然の輸出を開始した。中国向けにも燦然の純米大吟醸と高級酒を投入し、富裕層向けに需要を開拓していく。

菊池大輔専務は「オーストラリアとアメリカ共に、フルーティーな香り豊かな酒が好まれる傾向にある。ワイングラスで清酒を楽しむなど、飲み方の提案力も売りだ」と話す。

社屋

同社は1878年(明治11年)創業。主力商品は「燦然」、「倉敷小町」で、燦然は全国新酒鑑評会で3年連続で金賞を受賞した。過去10年で7回の金賞受賞、入選率は100%と全国で品質が認められている。醸造にはモーツアルトの音楽を流すのも特長だ。販路は県内が約6割で、首都圏などの都市部が約3割、将来的に期待する海外輸出が1割弱を占める。

同社は既報の通り、日本国内の航空会社の国際線に、9月から、「燦然純米大吟醸原酒」が採用されており、それがきっかけで中国への販路開拓が出来た。同社の菊池専務は、昨年11月、「岡山伝統産業振興協同組合」(事務局=真庭市勝山、辻総一郎組合長・辻本店社長)の活動で、和食ブームのオーストラリアに向け、日本酒を備前焼で楽しむなどの提案をしている。

 国内の人口が減少傾向で、50年後には総人口4千万人の試算もあり、同社では海外への販路を重要視している。海外は世界遺産に認定された和食のブームでもあり、料理とマッチする日本酒の需要も期待される。同社では海外の人でも気軽に清酒が楽しめるよう、ワイングラスでおいしい日本酒アワードに13、14年度と連続で最高賞の金賞を受けた。

 同社では5年後を目途に、県内での販売を全体の5割に、都市部を4割、海外販売を1割にする方針で、アメリカにも無農薬無肥料で栽培した県産の雄町米を使った「木村式 奇跡のお酒」の純米吟醸、純米大吟醸を投入し、販路を開拓していく。酒のラベルも漢字を用い、メイドインジャパンをPRする。

 菊池社長は「グローバル化が進む中、航空会社の国際線での機内メニューに採用で、相乗効果が出ている。軸足は国内に置きつつ、海外での販路拡大も見込みたい」と抱負を語った。

菊池酒造㈱

倉敷市玉島阿賀崎1212

菊池東社長

電086・522・5145