宮下酒造
独歩の出荷量が増加に
クラフトビールのブームで

2018年06月01日号

 都市部で需要増加に

本社隣接の観光施設「酒工房独歩館」で地ビール「独歩」を紹介するスタッフ

 宮下酒造㈱(岡山市中区西川原184、宮下附一竜社長、電086・272・5594)は全国的なクラフトビールブームを受け、「独歩」の売れ行きが年1割増の生産で推移していると発表した。岡山の地ビールと東京都や大阪府といった都市部から受注。柚子風味の地ビールを投入するなど、消費者に目新しさを打ちだす。
 ビール市場は近年、クラフトビールへの移行が進み、キリンホールディングスは専用サーバーの展開を開始するなど、酒離れが進む中、クラフトビールは料飲店では起爆剤となっている。宮下酒造が展開する独歩は岡山県産の酒米・雄町や特産品のマスカットを使った地域色で差別化。都市部では瓶のほか、樽での販売も増え、13年から毎年生産量は増加している。
 昨年開設の清酒やビールなどを提供するレストランを備えた観光施設「酒工房独歩館」やイオンモール岡山のアンテナショップを通じ顧客ニーズに沿った商材を発売していく。昨年投入した柚子風味の「ゆず独歩」は酒工房独歩館で先行販売し販路を築いた。今年3月開催の全国地ビール品質審査会2018(全国地ビール醸造者協議会主催)ではインペリアル・エールが入賞し販売にも期待する。
 宮下晃一専務は「商品力に磨きをかけ販売を加速させたい」と話した。

 また、同社は平成29年度全国新酒鑑評会(独立行政法人酒類総合研究所、日本酒造組合中央会共催)で8年連続の金賞を受けた。これで金賞受賞は21回と県内の酒蔵では最多を更新。受賞酒は酒工房独歩館(岡山市)などで販売する。