井原精機
工場の自動化システム構築
中小企業に向けて提案

2021年08月01日号

人手不足背景に新事業

井原精機で導入したロボットを導入した生産ライン

 自動車部品メーカーの井原精機㈱(井原市上出部町431―3、上野和彦社長、電0866・62・0061)は、工場の自動化システム構築を請け負うシステムインテグレーター(SIer=エスアイヤー)事業に参入した。事業の多角化の一環で人手不足を背景に需要が見込めると判断した。社内システムを整備した技術を活用し、中四国地区や兵庫県内の中小企業に向け売り込む。

Sler事業では顧客の要望に応じてアーム型ロボットや検査機、搬送装置などを用意し従来、人がこなしていた作業を自動で行えるラインを設計、構築する。構築にはロボットの動作プログラムやラインの設計、作業に応じた搬送装置の開発など幅広く提案する。人員は当初4人体制だが、23年度には11人に増員する計画。

   Slerを事業展開するのは装置メーカーが多いが、実際に自社で導入した強みを生かしていく。商社経由で受注し、30年度には年間8億円規模の売上を目指す。同社は「自社で導入し7人の人員体制が2人に削減できた。ものづくりや工場運営の強みを生かし受注を獲得したい」と話した。

   同社は1944年設立。資本金8千万円。連結売上高約114億円(21年3月期)。従業員887人。自動車のステアリング部品などを手掛け、中国やインドネシアにも工場を持つ。