歴史と文学の館「志麻利」
館長 重松文宏さん
7/21平和祈る演劇上演

2018年05月10日号

「黒い雨」縁の地を案内
しげまつふみひろ(82)

神石郡神石高原町小畠1733
電0847・85・2808

 郷土が生んだ文豪・井伏鱒二の代表作「黒い雨」の原資料となった「重松日記」の著者・重松静馬さんの子息。97年に旧小畠中学校の校長で定年退職し、両氏の往復書簡や日記の原本、膨大な資料などを自宅で公開していた。07年からは古民家を改装した同館へ移し、動画上映や縁の地探索の案内役を務めている。
 被爆者に聞き取りをして「原爆の絵」制作を続けている公立基町高校(広島市)の生徒作品に衝撃を受けた演出家・福山啓子さんは、作品を仕上げるまでの子ども達の成長や平和への想いを演劇「あの夏の絵」(劇団・青年劇場)に仕上げ、15年夏に都内で上演した。今年は井伏の生誕120周年にあたることから同劇団を招聘し、神石高原町高蓋のさんわ総合センターやまなみ文化ホールで7月21日〔土〕に上演する。全席自由で、一般3千円(当日は3500円)、中学生以下・障がい者は1700円(同2千円)。
 「国連で核兵器禁止条約の採択や、ICANのノーベル平和賞受賞など、世界は核兵器廃絶に向けて大きく動いています。小説『黒い雨』の生成過程について長年話を続けてきましたが、この活動自体を演劇化して、後世に伝えていきたいと思います。是非ご協力を」と呼びかけている。
 同館は月・木・日曜日の午前10時―午後3時に開館するが、講話及び現地探訪は随時行っている(要予約)。