ミムラ
備後地区の営業開拓進める
丸総商店をM&A

2022年01月10日号

古紙広場の出店を加速化

福山市曙町の丸総商店

三村社長

  機密書類処理、古紙加工販売などの㈱ミムラ(岡山市南区豊成1―8―8、三村浩一社長、電086・263・3231)は、総合リサイクル業の㈱丸総商店(福山市曙町4―2―14、電084・953・2288)をM&Aするなど、備後地区の営業を強化する。ミムラが展開する古紙など回収施設「古紙広場」の福山市内への出店を進めるほか、丸総商店でも機密書類処理事業を新たにラインナップした。

ミムラは岡山市と鳥取県米子市に3つの処理施設を持つ古紙を中心としたリサイクル業者。後継者難となっていた丸総商店からの打診もあり、2020年2月に子会社化した。社長はミムラの三村浩一社長が兼務する。丸総商店は福山と笠岡、尾道と三原市内に計5つの処理施設を持ち、年商は45億円規模。パート含めた従業員数は45人。ミムラは丸総商店とで処理施設の相互活用などシナジー効果にも期待する。

  ミムラは、〔一財〕日本品質保証機構(JQA)のリサイクル処理センター安全対策適合基準に適合する「ジオックスリサイクル&セキュリティーセンター」(岡山市北区北長瀬本町9―26)を持つことで、他社と差別化し業容を拡大。機密書類の定期回収サービス「シュレッドボックス」を岡山や広島県内でも展開する。機密文書やパソコンのハードディスクの粉砕処理にノウハウを持つことから、丸総商店の福山市内のリサイクル処理場にも昨秋、機密文書処理施設を設置。備後地区でも「シュレッドボックス」サービスに力を入れる。

福山市川口町の古紙広場

  また、備後地区での「古紙広場」の出店も加速する考えだ。2011年に岡山市内でスタートさせ、既存、岡山や倉敷、玉野市、鳥取県や福山市内のコンビニやスーパーの駐車場に計33店舗を展開。昨年12月には福山市川口町の酒販店「ハートピア」の駐車場スペースに設置しており、今年も5店舗の出店を計画する。施設は160―660㎡のスペースがあれば対応し、古紙回収希望者は、一定のポイントを集めれば電子商品券が進呈されることもあって主婦層らが支持。隣接する店舗との集客面での相乗効果も提案材料としていく。

  ミムラは1948年創業。資本金5千万円、従業員は52人。売上高は27億円規模(2020年12月期)。2017年に三村浩一氏(36)が社長に就き、社員の残業を無くしたほか、有給休暇の消化を促すなど業務環境改善に着手し従業員の定着率を向上させた。昨年9月には福岡県久留米市と佐賀県内にそれぞれ処理施設を持つ、古紙総合リサイクル業の藤商事㈱(福岡県久留米市南2、従業員10人)をM&A。今後は持ち株会社の設立に加え、岡山市南区豊成の本社の新社屋建設も視野に入れる。

  三村社長は「リサイクルはSDGs(持続可能な開発目標)にも沿う事業として将来性が見込める。備後地区のマーケットを開拓し、事業に弾みを付けたい」と話した。