両備グループ
配車アプリ「TAXI.come」開始
地域ニーズに合わせ独自開発
2022年12月20日号
岡山県内全域への拡充目指す
両備グループ(岡山市、小嶋光信代表兼CEO)のタクシー事業を展開する両備タクシーユニット(同市南区豊成1―14―12岡山交通㈱内)はこのほど、地域のニーズに即した独自タクシー配車アプリ「TAXI.come(タクシードットカム)」を開発。㈱両備タクシーセンターが手掛ける共同配車と連携しており、簡単な操作で気軽にタクシーを呼ぶことができる。現在は岡山市(北区建部町、東区瀬戸町を除く)、早島町、倉敷市にかけてのエリアだけだが=地図、1月からは津山市も入り、順次岡山県内全域に広げていく予定だという。
同アプリは、「配車アプリを通して地域課題の解決」をテーマに、地域特性に合わせてカスタマイズできるよう同グループと㈱JCVケンウッド(横浜市)が共同開発した。同グループ内では、両備タクシーユニットに属する岡山交通㈱(導入台数274台)と岡山両備タクシー㈱(同199台)、配車室の両備タクシーセンター、ICT部門の㈱両備システムズが担当した。
高齢化率の高さや自家用車への過度の依存、交通インフラが不十分、といった地域課題に関して、同アプリは、高齢者をはじめ誰もが簡単に操作できる▽住み続けられるまちづくりに寄与▽利便性の高い交通インフラの実現、といった3つのコンセプトを掲げている。
今回リリースされた初期実装では、タクシーがすぐに手配できる即時注文や行き先指定、車両の現在位置確認、概算時間や料金表示、到着通知などの機能を備えた。来年1月には、第1回アップデートとして、日時指定ができる「予約注文」やクレジットカードを使った「ネット決済」、よく使う場所が登録できる「お気に入り登録」などがあり、ラッピングタクシーを呼ぶこともできる(どのタクシーが来るかはシークレット)。
以後、夏には大きな文字でシンプルにした「高齢者向け簡易モード」や、妊婦向けや保護者向け、買い物サービス、お墓掃除代行など、同社既存の様々なサービスを加えることで、「日常生活支援アプリ」と呼ぶに相応しい内容へ進化させていくという。また、各事業所で同アプリの使い方講座を開く予定。
両備タクシーセンター松田敏之理事長の話「タクシー事業において質にこだわった対応を目指しております。既存の都市型アプリでなく、地域と共に発展していける、地域密着型の独自アプリを開発しました。様々なサービスが予約しやすく、クーポンチケットなども提供できる、地域が発展していける複合的な日常生活支援アプリにしていきたい」。