AKASE
本社周辺を観光地化へ
マスターウォールヴィレッジ
2023年07月20日号
SDGsの取り組みにも着手
家具製造販売のAKASE㈱(岡山県里庄町新庄1550、藤井幸治社長、電0865・64・5111)は、同所の家具店や工場を中核に、新たにカフェ店を開設するなどで本社周辺を「マスターウォールヴィレッジ」と観光地化する考えだ。体験型消費が伸びる傾向にある中、家具店とカフェ店の利用者に工場見学を促すなどでファン層を拡大させる。
9月18日〔月・祝〕に敷地内の住宅展示場だった建物をカフェにリニューアル。自社製家具を使った内装で来店者に商品品質を体感してもらう。また、秋をメドに家具店「マスターウォールワールド」で中四国地区初の取り扱いのイタリア製高級家具ブランド「ジョルバゾーニ」の照明やテーブルなどをラインナップ。また、イタリア在住の日本人デザイナーが設計した自社ブランド「コンタット」のソファーなども商品群に加える。
カフェ「ザ・グレートレークス」(30席)では「SDGs(持続可能な開発目標)」を意識し、家具製造で発生した木くずを平野牧場(笠岡市カブト東町)で乳牛の寝床とし堆肥化。それを肥料に耕作放棄地で野菜を栽培しカレーに採用するほか、同牧場の牛乳を使ったアイスクリームやプリンなどもメニュー化する。コーヒーはフェアトレード(公正取引)を徹底し同店のプロデュースを手掛けた㈱キノシタショウテン(瀬戸内市邑久町)のスペシャリティコーヒー豆を使う。
岡山県西部地区には一大観光地が少ないとし、工場を「ジーンズミュージアム&ヴィレッジ」と観光地化したジーンズメーカーの㈱ベティスミス(倉敷市児島)に追随する形で、里庄地区の地域発展にもつなげたい考え。従来の家具店への来店者は1時間ほどの滞在時間だったが、カフェ利用や工場見学で滞在時間を長くすることで、会社の知名度を獲得し、今後の事業拡大で不可欠な人材採用にも弾みを付ける。
AKASEは家具販売店とコラボショップが成功し、20年6月期は25億5千万円だった売上高が、21年には32億円、22年は38億円規模と拡大しており、北村浩三副社長(42)は「工場周辺の集客力を増すことで、受注の底上げをしたい」と話した。
同社は1972年7月設立。資本金4千万円、従業員は200人。