ザランタンあば村
過疎の村を劇的に活性化
「気軽に行ける非日常空間」に

2024年04月20日号

既存施設とWEBメディア活用

旧阿波村中心部

緑多い山々と渓流に囲まれた津山市阿波地区でこのほど、レストラン兼宿泊施設の「あば交流館」=写真=が再オープンした。同地区にあるグランピング施設「ザランタンあば村」(津山市阿波3108—4、https://glampicks.jp/glamping/g21263/official/)でも、渓流とマッチするアクティビティや機能を今後開発する予定という。阿波森林公園と合わせてこれら3カ所の施設を、㈱Dive(東京都新宿区)が地元団体と共同で指定管理を行っており、村全体を巻き込む活性化が見込まれている。

旧阿波村は岡山県の北東部で鳥取県との県境にあり、2005年に津山市に合併した。合併当時700人程度だった人口はその後減少し、現在では400人を切るほどになった。小学校は閉校し、唯一のガソリンスタンドも撤退、行政支所も規模縮小するなど過疎化が著しかった。

ザランタンあば村内テント村

ところが21年2月、全国で観光HR事業(※)や地方創生事業、情報システム事業を展開するDiveが、地元団体が指定管理を受けていた森林公園の自主事業としてグランピング事業に関わりはじめた。翌22年4月からは前述の通り公共施設の指定管理を地元団体と協力して請け負うことになった。その管理業務が、生野正樹さん(28)ら2人の若手に任されている。

同テント内部

21年5月には、森林公園内に体験型グランピング施設「ザランタンあば村」を立ち上げた。ロフトとハンモック付きのグランピングバンガロー(5室)やベルテント、皇帝テントなどの重厚なテント10室を設け、日本の原風景が残る里山の渓流での魚釣りやつかみ取り体験、畑の収穫体験、サウナテントなどを展開。コロナ禍の逆境にありながらアウトドアブームにも乗って、オープンから3年目の23年の宿泊者数は1万人を突破したという。

同社の強みは、グランピング施設に特化したWEBメディアである「GLAMPICKS(グランピックス)」を運営し、関心の高いターゲット層へ的確な情報提供を行っていること。同所は兵庫や大阪など大都市からのアクセスが比較的容易な位置にあることが幸いした。標高の高い山に囲まれて行き止まりになっており、「気軽に行ける非日常空間」という世界観も醸し出している。さらに、合併時に様々なインフラが整備されて光ケーブルも通っているため、Wi-Fi環境は都市部並みに整っているのも強みになっている。

同バンガロー

今後は、村内の複数の古民家を活用した「分散型リゾート」や、新装オープンした「あば交流館」との回遊化、渓流沿いにオートキャンプ場を設けて宿泊人口を増やすことなど、さまざまなプランが練られている。

生野さんの話「『おもてなしアウトドア』というコンセプトのもと、アウトドア初心者の方やお子様でも心置きなくお楽しみいただけるような『ちょっとずつのこだわり』を施設の随所にちりばめた企画・運営を行っています。グランピングでの宿泊だけでなく、地域の方と協力して、阿波地区全体が活性化するような企画をどんどん行っていきたいと思います」。

あば交流館

※=観光HR事業とは、リゾートバイトダイブという観光施設に特化した人材(リゾートバイト)紹介サービスであり、同社は年間7845人の観光従事者を創出。日本人人材と外国人人材あわせて、全国47都道府県で4600施設以上の観光施設と、人材の派遣業務を行っている。