おかやま山陽高校
本館屋上「きらぼし望遠鏡」設置
口径50㎝県下高校では最大規模
2024年08月01日号
公開天文台として地域に開放
学校法人原田学園「おかやま山陽高校」(浅口市鴨方町六条院中2069、原田一成校長、電0865・44・3100)は昨年創立100周年を迎え7月26日、100周年を記念して本館屋上に天文台を建設し「きらぼし望遠鏡」(型番=50DNA、昭和機械製作所製)を設置した。
同日開所式が開かれ、建設に際して支援を受けた浅口市の栗山康彦市長と里庄町の加藤泰久町長が出席し、渡邉和昭・昭和機械製作所社長、栗野諭美・岡山天文博物館館長ら関係者が参列して完成を祝った。
建築法改正で既存の建物屋上へ天文台ドームを建設することが難しくなったため望遠鏡をむき出しで設置し、観測時以外は移動式ケース(シェルタ)に格納する方式をとっている。シェルタは同校自動車科の生徒が、教師の指導を受けながら製作した。
きらぼし望遠鏡は口径50㎝(集光力=肉眼の5100倍)、焦点距離3900㎜(F7・8)、補正ドールカーカム式反射望遠鏡。岡山県下の高校では最大口径になる。
望遠鏡は経緯台に取り付けられ、パソコンにインストールした自動導入ソフト「ステラナビゲーター」(アストロアーツ製)で制御。観測する際は時間設定などのアライメントを済ますと、月や土星・木星・火星といった惑星、星雲、星団などの目標天体をパソコンに打ち込むだけで自動導入することができる。
接眼部はナスミス焦点を採用、望遠鏡をどの方向に向けても接眼部の高さは一定で、子どもから大人まで観測しやすいように設計されている。
接眼レンズは40㎜(97・5倍)、20㎜(195倍)、13㎜(300倍)等を常備。当面眼視観測用として活用し、近い将来ミラーレスカメラを購入して天体写真にも取り組む。
浅口市主催で同校が運営する「浅口の夜空をのぞいてみよう 星空観測会」を年間8回実施する。8月3日〔土〕と10日〔土〕の午後7時から観測会「天の川をのぞいてみよう」を、9月7日〔土〕には「土星のリングを見よう」を計画しており一般も参加できる。天文同好会部員の生徒が、星空案内人「星のソムリエ」を取得し観測指導を行う。
原田校長は「浅口市には天文台・天文博物館があり星の街として知られていますが、公開天文台が設置され、観測会を開くことで、地元住民の方や子どもさんが天体に親しむ機会が増えれば」と話している。