広島県東部・岡山県の企業4社
農商工連携を目指すチーム渡邊
伊勢神宮内宮へ自慢の逸品奉納
2024年11月10日号
広島県東部・岡山県の企業4社(㈱ハローズ・アイデアル㈱・キムチ美人本舗㈱・イトク食品㈱)は10月16日、〝農商工連携を目指すチーム渡邊〟「伊勢神宮奉納プロジェクト」に参加。伊勢神宮・内宮で斎行された「神嘗祭(かんなめさい)」に合わせて各社自慢の逸品を奉納し、御垣内参拝を行った。
神嘗祭当日に奉納
神嘗祭は、その年に収穫された新穀を最初に天照大御神に捧げて、神恩に感謝する恒例のお祭りで、内宮では毎年10月16日と17日に斎行されている。
同プロジェクトは、五穀豊穣を感謝する同祭の式典当日に商品を神楽殿へ奉納し、正式な献饌(けんせん)のひとつとして天照大御神にお供えするという事業で、元福山市立大学教授で現三重大学名誉教授の渡邊明さん(78)=写真前列右端=が企画し、2006年から続けられてきた。
内宮への奉納には厳然としたルールがあり、特に神嘗祭当日に商品を奉納できることは大変名誉なこととされ、参列できたことで各社のモチベーション向上や参加者同士の交流、横展開での県境を越えた新たな事業が生まれることなど、各国内企業の活性化になればと渡邊名誉教授が毎年仲立ちを行ってきている。今年は福岡県から宮城県までの13都府県から44の会社・団体・個人など約300人が参列した。
広島・岡山県の参加企業
広島・岡山県内に本社がある企業は4社が参加。24時間営業の地場大手スーパー㈱ハローズ(本社=福山市南蔵王町6—26—7、本部=岡山県早島町早島3270—1、佐藤利行社長、電086・483・1011)やキムチ美人本舗㈱(福山市曙町5—3—12、山本聖貴社長、電084・981・5666)、映像制作のアイデアル㈱(同市引野町4―1―8、徳永明彦社長、電084・961・3339)・岡山第一ビデオ㈱(岡山市北区南方3―8―39、同、電086・803・8777)、イトク食品㈱(尾道市木ノ庄町木門田491、小倉一洋社長、電0848・48・1650)で、全国でFC展開を行い両県内に4店舗を構える高級食パンの銀座に志かわ(㈱銀座仁志川、東京都)も商品を奉納した。
ハローズセレクション
ハローズは、ハローズセレクションの「りぼんかりんとう」、「芋けんぴ」、「むき甘栗」、専売品の「さつまいも甘納糖」を奉納。商品ライン本部商品企画部次長の山本克典さんは「前期に山口県へ初出店し、現在は瀬戸内沿岸の7県下で店舗を展開しております。今期は新たに2店舗を加え、期末(来年2月)には107店舗になります。今回もPB(プライベートブランド)のメーカーさんと一緒に参加しました。御利益を賜り、共存共栄で、益々の発展を祈念します」と話していた。
盛たにキムチ・甘口キムチ
キムチ美人本舗は、同企画で知り合った㈲とよや勘兵衛(三重県南伊勢町)製「ソマカツオの塩切り」などを使った氷温熟成「盛たにキムチ」(福山市三吉町のうどん店「盛たに」で使用)と、地場大手スーパーエブリイで販売中の「甘口キムチ」を奉納。山本社長は「今年で10年目の奉納で、これまで様々な状況の中で続けてこられたことを思い出し、とても感慨深いです。朝からの雨は霧雨に変わり、埃も立たず感謝しています。来年もまたここに来られるよう、一層精進します」と話した。
昨年の奉納動画
動画制作のアイデアルは、昨年の奉納プロジェクトを撮影して編集した動画を収めたDVDを奉納。徳永社長は「DVDで昨年度の奉納の映像を奉納するのですが、デジタル情報は食品と違ってこれからもずっと残るものです。千数百年の歴史ある伊勢神宮と、これからの悠久の時を重ねていくことに、浪漫と制作者としての責任を感じております」と話している。なお、今年の奉納の様子は同社のYouTubeチャンネル内で公開(https://youtu.be/Gkg2I457JQc?si=4Ex5v9rHYI58Rhat)している。
蒸し生姜など8点
漢方的製法で生姜エキスを抽出し、生姜製品の製造卸業を営むイトク食品は、今年初めて参加。主力商品の「蒸し生姜湯」「六漢生姜湯」「純辛生姜湯」「有機生姜 蒸し生姜湯『極』」「クラフトジンジャー」「クラフトコーラ」「クラフトチャイ」「蒸し生姜粉末」など8点を奉納した。小倉社長は「これまで外宮には2回奉納させていただきましたが、内宮は初めてです。とても荘厳な気持ちになりましたし、来年もまた奉納させていただきたいので、また1年頑張ろうと思います」と話していた。
まとめ
コロナ過も落ち着き、奉納を希望する企業が増えてきたことから、来年は約60社400人に増える可能性があるという。渡邊名誉教授は「希望された企業の中でも、商品管理や会社経営のクオリティが高くなければ参加できません。DX時代にあって、そうした意識の高い企業同士が県境を越えて手を携え合い、それぞれの技術や素材を掛け合わせることで、閉塞感のある現代社会に風穴を開けられます。奉納を通じて、日本の発展に寄与することを期待しています」と目を輝かせた。