神辺町商工会青年部が熱い
第2回かんストに1万5千人
「MeeTsかんなべ」4号発行

2025年02月10日号

ビジネスアワードで3社が表彰

左から広報担当の眞壁隼一さん、河瀬会長、荒川実行委員長

神辺町商工会青年部(福山市神辺町948―1、河瀬浩史部長、電084・963・2001)は毎年、地域の活性化に向けて様々な事業を展開している。それらは全て神辺地域のブランド力の向上や地域活性化に向けた取り組みで、その成果が広島県商工会青年部連合会に所属する34団体内最大の会員数維持に繋がっている。広島県東部で最も勢いのある同部の活動を取材した。

かんストで地域の活性化

2006年に福山市と合併した神辺町は、市街地へのアクセスの良さや大型ショッピングモールの進出などもあって、合併後約20年で人口は1割以上増加。このほどようやく「川南土地区画整理事業」が具体化し、現在は神辺駅西口から国道182号線へ向けて川南1号幹線の整備が行われている。

巨大なミニ四駆コースを設置

そこで9月24日、神辺町商工会で「かんなべ地域活性化シンポジウム」が開かれ、加藤陽一郎福山市議会議員や神辺町商工会の榊原哲也会長、河瀬部長らによるパネルディスカッションが行われ、地域活性化へ向けて様々な提言や思いなどが語られた。

河瀬部長は、大阪の南海電鉄による駅前開発を例に、行政主導ではなく民間主導による活性化策を提案するなど、積極的なアイデアを開陳。榊原会長からは、若者には古いしがらみから脱却することを求め、「コーディネーター的に様々な可能性を繋げてまとめていく役割がある」「若いうちは失敗があっていい。どんどん挑戦してほしい」とエールが送られた。

その思いを具体化したのが「かんスト(かんなべストリートフェスティバル)」だ=写真上。11月23日に催された第2回かんストでは、同幹線内約700mで3カ所のエリアを設け、マルシェやステージイベントなどを行った。地元の企業や団体、学校などで57店舗を出店。来場者目標1万人が、実際には1万5500人が訪れたという。飲食や展示などでバラエティに富んだ「ものづくりの町」としてPRできたようだ。

ビジネスアワード

10月29日には、経営力向上委員会(高橋昇大委員長)主催「MATCH Kannabe Business Award 2024」を開催した。参加企業の魅力を青年部内で共有し、相互理解を深め、新たなビジネスチャンスを創出する場として開催しており、今年で3回目。8社が自社アピール部門(2グループ)、4社がチャレンジ部門に参加し、それぞれ3―5分の持ち時間で各社の強みなどをプレゼンテーションした。

「自社アピール部門」の最優秀賞受賞企業・受賞者は、㈱近藤・近藤康夫さんと日栄産資㈱・岡崎徹也さん、「チャレンジ部門」では㈱フジ・トラベルサービストムズ福山営業所・荒川弥生さんが選ばれた。近藤さんは、折箱の技術を応用して「骨董火鉢のレストア」や同じ商工会青年部仲間の㈲東洋自動車商会・佐藤公泰社長と一緒に作った和風オリジナル軽キャンピングカー「チャザンキャンプ」の活動を披露。岡崎さんは、同社の厳格な安全基準によりフレコンパック国内製造数№1を達成したことについて話した。荒川さんは、コロナ禍を機に、行政からの委託で地域の産業を活かしたオリジナルイベントの企画などに挑戦している様子を伝えた。それぞれの既存のものを新たな視点で改良した、創意工夫に富んだ活動に賞賛が集まった。

ミーツかんなべを1万部

同部MeeTsかんなべ実行委員会(荒川弥生実行委員長)は広島県立神辺旭高校と同神辺高校の有志生徒とともに、地元企業や団体など10社を紹介する冊子「MeeTsかんなべ」4号を製作した。1万部を発行し、会員企業のほか、地元の高校や中学校、公民館や近隣店舗などで配布していく。

B5判でオールカラー、24ページのフリーペーパーで、巻頭ページでは100m日本中学記録保持者の三好美羽さん(神辺西中3年生)=写真上=へのインタビューを掲載。続いて、神辺本陣や廉塾、Café anjin(あんじん)などを訪ね歩く「かんなべ町歩き特集」があり、介護施設の㈱ハートフルライフ、もやし製造業の㈲中島商店、デニム糸染色業の坂本デニム㈱=写真中、セレクトショップのSelect wear&Cafe WAVES、自転車の販売を手掛ける自転車屋ちゅう吉福山店、からだの使い方をカイゼンする野球塾キャッチボールカンパニー、インテリア用品店のTOGETOGE、焼鳥屋の炭火焼鳥バド吉、洋菓子店のPATISSERIE RICOTTAなど地元企業や出身者を紹介している。

高校生は最初に写真の撮り方や取材の仕方などを学び、インスタグラムページを立ち上げて活動をこまめに公開した。3年連続で関わった生徒もおり、後輩達に様々な経験を継承するなど校外の部活動のような取り組みになりつつあるという。1月25日には、編集に携わった生徒達がフジグラン神辺前で配布を行い、自分達の活動の成果をPRした=写真下。

まとめ

ⅯeeTsかんなべをフジグラン神辺店内で配布

こうした地域を巻き込んだ活動は、様々な団体から関心を集めた。他県の青年部や府中商工会議所青年部(YEG)から視察が訪れたり、中国地方の総合学科を抱える高校の研修会では記念講演を開いたりした。河瀬部長は「自分達の活動をまずは知ってもらうことを目標に活動を重ねる中で部員達の帰属意識が高まり、部員数の増強に役立ちました。自信もつき、更にレベルアップしようと、楽しみながら互いに切磋琢磨しています。榊原会長始め親会から助けていただけるのも心強いです。この好循環を更に大きくし、自分達の活動が地域を盛り上げる大きな一助となれば嬉しいです」と話している。