ワールド工業
硬質クロム3㎜厚付けを実現
独自の筆めっきで出張修理請負う

2025年08月01日号

無電解ニッケルめっき新槽設置

業界初の硬質クロム3㎜厚付けなど=写真上、オンリーワン技術を誇るワールド工業㈱(福山市箕島町南丘6484—3、梅本恭宏社長、電084・981・0465、https://world0527.co.jp/)はこのほど、独自技術の「筆めっき」=写真左上=を本格化。現地出張による短期間低コストでの「めっき修復」を請け負う。また、「無電解ニッケルめっき」については、槽を大型化し、8月より大型部品の加工も請け負えるようになるという。

同社は1992年、クロムめっき加工専業メーカーとして創業。主に大手製鉄会社や造船会社などからの受注に応えるべく研鑽を積み、硬質クロムめっきの薬液に改良を加えて、加工時間の短縮化や効率化を果たし、3㎜厚付けを実現した。更に、筆めっき歴30年のベテラン職人によって、現地での出張クロムめっきもできるようになった=写真左中はめっき前・同下はめっき後。

既存品と変わらない耐久力

硬質クロムめっきは、摩耗しやすい機械部品などにコーティングし、耐久性を高める目的で施される。通常は0・02—03㎜程度を施すが、腐食や摩耗が進んでいた場合や加工前の下処理で削りすぎてしまった場合でも、リカバーできるよう厚く塗るための研究を進めてきた。その結果、従来であれば溶接による肉盛りで応急処置をするか、部品を差し替えなければならないケースでも、同社の技術はほとんどその場での修理でリカバーさせることができ、得意先からも大いに喜ばれているという。梅本社長(56)は「弊社の薬液は、短時間で加工できる上、その後の耐久性も既存品と変わらない耐久力を誇るようになります」と胸を張る。今後は周知に努め、広範囲からの集客を目指すという。

また、「無電解ニッケルめっき」は、半導体製造機械などの精密性の高い機械や、同通性のない製品でもめっきができる。新しい槽は1500㎜角で深さ1700㎜の容器を用意。8月中に完成し、順次稼働予定だ。

亜鉛やアルマイトなどのめっき処理も受け付けており、梅本社長は、筆めっき加工の周知を図るとともに、今後はさらに多くのめっき加工に手を広げていきたいと意欲をにじませた。