㈱かこ川商店
社長 水主川嘉範さん
「事業の延長に地域がある」

2026年02月10日号

インターンで次世代と向き合う

かこがわよしのり(47)

古紙・金属を中心に、木くず、廃油、汚泥、廃プラスチック、ガラス、コンクリートなど、産業廃棄物の収集運搬・中間処理を手がけている。その傍ら、地元で農園の運営や、廃材を活用したものづくり体験の場を10年以上継続。2024年には創業50周年を迎え、地域共創拠点「areal wakka(エリアル ワッカ)」をオープンした。地域一体型オープンファクトリー「瀬戸内ファクトリービュー」の一員として、「地域の未来に100のなりわいと100の景観を残す」というビジョンの実現に取り組んでいる。

―社長に就任して14年になりますね

「昨年3月に創業者である父を亡くし、改めて代表としての責任を強く感じています。帰郷して入社した当初は自分なりのやり方を模索する日々でしたが、ここまで続けてこられたのは、社員の成長と家族の支えが大きかったと思います」

―目指してきた会社とは

「同じ仕事の繰り返しではなく、何か少しでも新しいことに取り組む姿勢を意識してきました。やがて、地域社会とは無関係に事業運営はできないと考えるようになり、地域との関わりを積極的に持つことを決めました。農園の運営や地域共創拠点の運営も、その延長線上にあります。また、業種柄、土日曜日や祝日に対応が必要なこともあり、全員が週2日以上の休みを実現するためシフト制に変更しました。社員の成長を支える資格取得も支援しています。『1人2役、1役2人』を意識し、業務の幅を広げてもらっています。現在はパートを含む27人の社員のうち約半数が女性です。清掃会社のM&Aもあり、社員数が増えました」

―どこも求人に苦労していますが

「コロナ禍をきっかけに、自分たちが何をしている会社なのかを見つめ直しました。日々の取り組みや考え方を、SNSを通じて丁寧に発信しています。昨年は、備後地域3大学が連携して実施する『BINGO OPEN インターンシップ』に参加しました。福山大学と福山平成大学の学生8人(5・10日間コース各4人)を受け入れました。学生たちは、建築士とともに古民家の測量や解体作業を行い、カフェ運営、粗大ごみ回収などを体験するなど作業を通して当社の課題に向き合い、最終日に事業提案を発表してもらいました。学生にとっては実践の場、社員にとっては教育の機会、当社にとっては事業を見直す機会となっています。インターンは採用を目的としたものではなく、参加した学生と今回採用した学生も別です。ただ、彼らにとっても社会を見直すきっかけになったのではと思っています」

―今後の展開を

「農園など地域との関わりについてはインスタグラムで発信しています。地元を離れた人たちがまた戻ってきたくなる地域であればと思います。コロナ禍の頃に体調を崩しましたが、回復傾向にはあるので、無理せずに出来ることを一つずつ積み重ねていきたいです」

▽㈱かこ川商店=福山市神辺町川南636―1、電084・963・1358、https://kakogaward.jp/
▽水主川嘉範=1978年、福山市生まれ。早稲田大学大学院修了後、企業に勤務。Uターンして2009年にかこ川商店へ入社。12年に社長就任。神辺町商工会理事・神辺町観光協会理事。