エフエムふくやま
専務・局長 田中宏行さん
「作家・田辺聖子のルーツは福山」

2026年02月10日号

月刊こども新聞2月号コラム「郷土の偉人たち」で紹介

田辺聖子写真提供:大阪樟蔭女子大学田辺聖子文学館〉

㈱エフエムふくやま(福山市西町2─10─1、内海康仁社長、電084・920・8777)が発行している「月刊こども新聞」2月号で、同社専務・局長の田中宏行さんが執筆しているコラム「郷土の偉人たち」に国民的人気作家の田辺聖子 (1928―2019)を取り上げている。この中で大阪生まれの聖子のルーツが福山であることが詳しく紹介され、大きな反響を呼んでいる。

聖子の祖父・田辺美男は、1882(明治15)年、現在の福山市御幸町中津原・新茶屋の油屋の息子として生まれた。早くに父を亡くし、家業が立ち行かなくなったことから、母(聖子の曽祖母)を連れて、大阪へ出て写真屋になった。その後、事業が軌道に乗り、大阪の福島西通りに、ハイカラな洋館風の「田辺写真館」を建てた。

田辺写真館〈写真提供:大阪樟蔭女子大学田辺聖子文学館〉

聖子は1928(昭和3)年、父・貫一と母・勝世(井原市芳井町出身)の長女として、同写真館で生まれた。曽祖母や祖父母、両親や弟妹、叔父叔母、写真技師たちの大所帯の中で育った。このことは、聖子のエッセイ「田辺写真館が見た〝昭和〟」(2005年文藝春秋から発行)に、詳しく描かれている。

田中さんは「写真館の生活を通して大阪の風俗文化に深く親しみながら育ったことが、聖子の人間味溢れる楽観主義や優れた人間観察力、さらには人間を丸ごと受け入れる無条件の肯定といった、後の作家活動の基盤を形作ったものと思われます」と解説する。

2006(平成18)年から翌年にかけて放送されたNHK連続テレビ小説「芋たこなんきん」は、聖子の半生をもとに制作。ドラマの中では、福山出身の祖父や曽祖母、モダンな父たちが織りなす賑やかな大家族の暮らしが描かれた。聖子がモデルの主人公を藤山直美、祖父役を岸部一徳、曽祖母役を淡島千景、父役を城島茂、母役を鈴木杏樹と香川京子が演じた。

聖子は08(平成20)年に、永年の執筆活動の功績により文化勲章を受章した。

「田辺家」は田辺葬祭付近?
セレモニーHに「田辺聖子文庫」

セレモニーホール田辺の「田辺聖子文庫」

聖子の祖父の生家は、聖子と親戚関係にある㈲田辺葬祭(同町中津原1469、田辺定喜社長)付近にあったとみられ、本家の田辺社長は、同社経営の「セレモニーホール田辺」(同778―1、電同955・0399)で「田辺聖子文庫」を開設し、聖子本人から寄贈された多くの書籍を一般に開放している。