英田エンジニアリング
中国地域ニュービジネス大賞
「アイアクセル」が大賞を受賞

2021年07月20日号

アクセル踏み間違いの事故防ぐ

 金属加工機や無人駐車場・駐輪場管理システムなどの企画設計製造販売を営む㈱英田エンジニアリング(美作市三保原678、万殿貴志社長、電0868・74・3877=N.I.C製造部、http://www.aida-eng.co.jp/)の「後付けペダル踏み間違い急発進抑制装置『アイアクセル』の開発・販売」がこのほど、第29回中国地域ニュービジネス大賞の大賞を受賞した。サポカー補助金対象品(8月末までの予定)であり、今後は岡山県内の整備工場や保険代理店などへの営業活動を積極化する。

アクセルとブレーキの踏み間違いによる事故は多く、特に75歳以上の高齢者が起こす割合が多いという。原因としては慌ててパニック状態で引き起こすケースが最多で、その際の身体的特性が「アイアクセル」=写真上=の作動トリガーとなっている。

 加速時にアクセルを踏み込む力は通常2―3kgの圧力だが、とっさのときに踏み込む力(10―12kg)が急激にかかった際、また踏み込む踏みしろ(作動領域)が通常以上に奥まで踏み込んだ場合、ブザーやLED警告などを発しながらアクセルの作動を切ってブレーキを作動させるように働く(特許出願中)。後付けできる装置のため、様々な車種に取り付けられることから、長年乗り慣れた愛車を買い換える必要はないという。

 工事も簡単で、アクセルペダルを取り外して付け替え、既存ブレーキペダルとリンクさせるだけで済む。必要に応じてスイッチで作動切り替えが可能で、車両改造に該当しないため構造変更申請は不要、保安基準に適合しているため車検時に取り外しも不要という。ただし取り付けには専門技術が必要なため、取扱店になるためには同社での研修が必須。また半年に1度の定期点検も必要となる。

 今後は技術講習認定を受けた代理店や、アイアクセル特約などを付した保険商品の提案、周知のためのテレビCMなどを展開していく予定。また販売価格20万9千円(本体価格+取付費用)のところ、月額9950円の21回払い(金利手数料を同社が負担)というエンドユーザー向けプランも提案している。

 万殿社長(59)=写真下=の話「弊社は中山間の過疎化が進みつつある地域にあり、地元の高齢者は車無しで生活できないという現実があります。弊社の経営理念にあるとおり、モノづくりを通じて地域・社会に貢献し続けるため、同じ車関連でも異業種の機械製造に乗り出しました。今後も弊社の技術が地域課題解決のお手伝いができれば幸いです」。