府中家具工業協同組合
府中家具がドイツ見本市で好評
髙橋工芸と松創が新ブランド
2015年02月20日号
欧州5社と契約間近
府中家具工業協同組合(府中市中須町1648-1、高橋正美理事長、電0847・45・5029、20社)は1月19―25日、JAPANブランド育成支援事業の一環で創出した新ブランドの新作家具をドイツ・ケルンで開かれた世界最大級の家具展示会「immケルン国際家具インテリア見本市」へ出展した。
新ブランド「MATSUSO T」は、組合に加盟する高橋工芸㈱(同市高木町1113-1、高橋正美社長、電同・2323)と松創㈱(同市広谷町953、松岡佳二社長、電同3621)が共同で製作した商品群で、昨年2月にスウェーデン王国・ストックホルムで開かれた北欧最大の「国際見本市」で高い評価を得た椅子をはじめ、サイドボードやシェルフ等のインテリア家具も合わせて37点を展示した=写真上は展示会場。いずれも来場者から好評を博し、37社と商談を交わした。中でもドイツ・スペイン等4カ国5社とはいずれも商談成立間近だという。
会場は11棟で28万㎡の展示スペースがあり、世界50カ国1263社が出展した。期間中は138カ国から14万6千人の来場者があったという。「MATSUSO T」はケルンメッセ駅に近い建物の2階で、若手有望デザイナーの展示スペース内に振り分けられた。
スウェーデン気鋭の作家集団CKRデザインスタジオと、国際的に活躍する㈱ジンクラモトスタジオ(東京都)の倉本仁社長がプロデュースしており、特にCKRは国際的に知名度が高く、今回の展示でもコーディネート役を買って出た。両社の得意分野を活かしながらテーブルや椅子等を製作したが、特に倉本社長の「ナディア」シリーズは船の骨組みのようなデザインが特徴で、和の伝統的な工法を活かすことで細くて軽い割に高い耐久性を実現させている。また裏側の通常は見えない部分まで見せることで、技術の高さや仕上がりの丁寧さがわかりやすく、仕事のクオリティの高さを誇ることができた。
サイドボードやシェルフ等は髙橋工芸が、椅子は松創が主に担当。協会の副理事長も務める松岡社長(65)=写真下右=は「弊社は宮大工からの流れで指物大工として家具製造を始めた。新作も細くて軽いものを職人が手仕事で仕上げている。椅子の本場として長い歴史のある欧州で高い評価を得たのは嬉しいが、大量生産には向かない。ブランディングのインパクトは与えられたと思うので、今後はコストを下げる工夫と量産できる体制を整えていきたい」と話していた。また高橋社長(66)=写真下左=も「これほど早く商談が具体化できるとは思わなかった。3月頃には国内向けの価格設定を明らかにし、欧州には5月頃には納入したい。今後は年間200―300点を販売できるようにしたい」と意気込みを語った。