築切家守舎
リノベーション事業本格化
池口精肉店が出店を検討

2018年05月20日号

池口精肉店が出店を予定しているビル

伏見町5階建てビル1階へ

 まちづくり会社㈱築切家守舎(つっきりやもりしゃ=福山市伏見町4―33、藤本慎介社長)が開発を予定している「のみ喰い処とらや」(同市伏見町1―16)があった5階建てのビル1階(46㎡)に、㈲池口精肉店(福山市新涯町5―31―39、池口章人社長、電084・953・9799)が出店を検討しており、同社のリノベーション事業が本格化しそうだ。
 築切家守舎は、JR福山駅前地区再生に向けて、関係する地権者、行政と連携して地域に関する活動を総合的に進めることで、そのエリアの魅力を創造し発信するプロジェクト。福山市内の経営者4人で発足した。伏見町の再開発を主眼とし起業家の出店を含めたスタートアップの推進や、市道を利活用したイベント開催などで福山駅前に賑わいを創出する―としている。
 リノベーション事業は、築切家守舎が家主からビルを丸ごと一括

池口峻平・企画室長

借り上げし、入居するテナントの要望を聞いて内装、リニューアル工事を施し貸し出す。
 出店を計画している池口精肉店の池口峻平・企画室長=写真=は「以前から飲食店を出店したいと考えていました。2月に福山市が主催した『リノベーションスクール@福山』に参加し、藤本社長が熱い思いを持っているのを知って、是非一緒にやらせてもらいたいと考えるようになりました。自分たちが行きたい店を作りたい。(出店が)福山のため、伏見町のため、何か力になればうれしい」と意欲的に話す。
 店舗のデザイン、メニューについてはまだ検討中だが、池口精肉店の強みを生かし、肉や肉の加工品を使った料理がメニューの中心になるようだ。海老のアヒージョや、海老とタンのアヒージョなど、海鮮類と肉類を使った本格的な洋食も提供したいという。
 アルコール類は生ビール、海外のビール、ワインのほか、女性にも来てほしいので、カクテルを充実し、地場産品の尾道の農家直送レモンを使ったレモンサワー、ハイボールもメニューに加えたいとしている。
 2階から5階はインバウンド、バックパッカーを対象とした宿泊施設「ゲストハウス」が検討されている。
 福山市は20年後の福山駅周辺の姿を示す再生ビジョンを3月、まとめた。ビジョン策定の目的を「福山市の『顔』として、また備後圏域の玄関口として、市民、事業者、行政が目指す福山駅前の姿を共有し、連携して再生に取り組んでいく」と定義づけている。
 伏見町など福山駅前は長い間再開発が停滞していたが、「キャスパ」、「旧NHK福山放送会館」、「エム・シービル」の再生プロジェクトが本格稼働しており、市と連携した再開発に市民の期待がかかる。