鞆スコレ・コーポレーション
分散型古民家H2軒をオープン
鞆の歴史的町家をホテルに

2023年05月10日号

「まちの物語を楽しむ体験を」

オーベルジュ櫻や-SAKURAYA-


福山市(鞆町)と尾道市内にホテル・旅館を展開する㈱鞆スコレ・コーポレーション(福山市鞆町鞆421、村上正高代表、電084・982・1123)は、大正期の町家をフルリノベーションし、創作和食コースを楽しむことをコンセプトにした分散型古民家ホテル「オーベルジュ櫻や-SAKURAYA-」「別邸試楽亭-SHIGAKUTEI-」(同市鞆町656)の2軒を5月1日にオープンした。

同社は、江戸期の港湾施設が残る歴史的景観を有する港町・鞆に点在する複数の歴史的商家や町家をひとつのホテルに見立てて運営するプロジェクトを令和から発足。「鞆の浦 潮待ちホテル」として、2019年に「櫓屋-ROYA-」、昨年「櫂-KAI-」(各同市同町808―1)をオープンしており、今回はその第3弾。重要伝統的建造物群保存地区に佇む「棟」それぞれに刻まれてきた歴史的価値を感じながら、鞆の浦ならではの「まちの物語を楽しむ」滞在型体験を提供する。

別邸試楽亭-SHIGAKUTEI-

櫻やは、大正期建築の木造2階建て町家がベースで、1階に歴史的空間を活かした本格的なダイニング、2階には趣の異なる2室の客室を配置。近海で水揚げされる鯛や鰆、渡り蟹やあこうなど新鮮な海の幸を中心に、旬を凝縮した料理を提供する。建物内には、梁や柱、欄間や土壁など往時の建築のディテールを復元しつつ、家具や家電・水回りは最新の設備を導入して機能性と快適さの確保している。

別邸試楽亭は、18世紀後期(江戸中期)の由緒ある平屋建築を蘇らせた。王子には朝鮮通信使など賓客をもてなした歴史がある。二間和室のリビングに、独立したツインのベッドルーム、本格的なキッチン、自動湯張機能付の檜木呂を設置。縁側からは専有庭園を望むことができる。「潮待ちホテル」の客室の中でも、最上位の贅沢な空間で、古き良き時代の暮らしを体感することができるという。

宿泊すると、姉妹館「鷗風亭」「景勝館漣亭」(同市鞆町)の浴場を利用できる「湯巡り特典」が付く。

同社の話「鞆の浦の地に宿屋を興して110余年、この小さな港町に息づく丁寧な暮らしを後世につなげ、この町ならではの歴史文化そして町並景観や風趣を未来に継承すべく努力してまいります」。