ワラビーデザイン
デザインから試作品まで一貫化
CAD/CAMを独学で習得

2015年02月01日号

MCやNCを新事務所に設置

14Pwarabi- 企画から工業デザイン、設計、CAD(コンピュータ援用設計)/CAM(コンピュータ援用製造)オペレーションまで請け負う㈱ワラビーデザイン(府中市中須町183-1、寺延匡昭社長、電0847・52・6596)はこのほど事務所を移転した。祖父が興した寺延建具旧店舗跡地に、木造3階建ての住居兼事務所を新築し、1月から本格的に事業を始めている。
 延床108㎡のうち、1階と2階の一部(61㎡)を事務所として活用。1階のフロアを商談の窓口とし、奥にMC=マシニングセンタ(BT-30)を設置する予定だ。別棟に小型NCフライス盤も設置しており、デザインしたものを試作品の段階まで作り上げることができる。実際にマシンを動かして加工するには時間も費用もかかるため、小規模事業者には負担が大きかった。そこで寺延社長(39)=写真=はCAD/CAMを独学し、デザインから製造まで一貫化するサービスを始めた。これにより、事業主は試作品から更に専門的な技術でブラッシュアップさせて最終着地点を目指すことで大幅な負担軽減ができる。
 寺延社長は東京で工業デザイン事務所にデザイナーとして7年間務め、オフィスファニチャーや産業機器を中心にデザインを続けてきた。帰府後は電動ドリルや産業機械、グラフィック、クラフトデザインなどのデザインを手がけた。ヘルメットの中にバイザーが収納できる電機工事用ヘルメット(ミドリ安全)でグッドデザインアワードを受賞。府中商工会議所が設けた新事業AWARD(表彰)制度の新規創業部門で大賞も得ている。「備後には“ものづくりの中小企業”が多く、小規模だからこそ出来る高い技術とこれまで各事業所が投資してきた機械のポテンシャル最大限を活かすことで、真似のできない小ロットで丁寧なオリジナル性の高い商品が作れる。大量生産では採算性が取れないニッチな分野でかつ高精度のものを作れば、ロスの多い海外発注から国内回帰への足掛かりにもなるはず。そのお手伝いができたら」と話している。今後はさらに専門家と協力してCAD/CAMの精度を高めつつ、物作りを担う若者の育成にも注力したいと意気込んでいる。